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金木犀(金子みすゞの詩)

金木犀(金子みすゞの詩)

爽やかな秋の風を感じながら玄関に立っておりますと、どこからともなく金木犀の甘い花の香りが漂ってきました。 毎年この香りをかぐと、懐かしい子供の頃を思い出します。 思い出って目にするものだけでなく、匂いや香りだけでも、ふと色々な思い出が蘇ってくることがあります。 私にとっては思い出がいっぱい詰まった秋の香りですが、金子みすゞさんの可愛らしい「もくせい」の詩をご紹介いたします。 ————————————————————– 「 もくせい 」 もくせいのにおいが 庭いっぱい 表の風が、 ご門のとこで、 はいろか、やめよか、 相談してた。 ————————————————————– 心がほのぼのとする詩です。 ほんのりとした庭一杯に漂う甘い香り。 「はいろか、やめよか、相談してた」というところは、風の戸惑っている優しさが、目に浮かぶようで心が和みます。 香りを運んでくれる風に、改めて「ありがとう!」って伝えたくなります。