- 天体ドーム
- 2023/03/12
【3月の天体ドーム】春を代表するかに座のプレセペ星団や惑星が夜空に昇ります。
春の散開星団プレセペ星団や、赤い一等星とともに明るく輝く火星に注目です。
夜空は輝きの強い冬の星から、おだやかな春の星々を見せるようになりました。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2023年3月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
春霞に包まれて、どこかぼんやりとした今月の夜空。ひときわ輝きを放っていた冬の一等星は西の空へと移動し、東からは春の星座が姿を現しています。冬を代表するプレアデス星団(すばる)はまだ観測好機、赤いアルデバランも輝いています。今月は火星がそのそばをちょうど移動しており、オリオン座のベテルギウスとアルデバラン、火星で「赤い大三角」が形作られ、冬の大三角と合わせてご覧いただけます。一方、新しい季節の訪れを感じる天体には、かに座のプレセペ星団(M44)が見えています。かに座は、輝きが小さい星々で構成されており見つけにくい星座ですので、カストル・ポルックスのある「ふたご座」と、春の一等星レグルスをもつ「しし座」の狭間を手がかりに探してみてくださいませ。かに座の中央で四角形を描いて並ぶ4つの星々に囲まれているのがプレセペ星団です。肉眼でははっきりとしない光の集まりですが、天体望遠鏡ではその星々の姿をよくご覧いただけます。また、今月末には、水星と木星の大接近、月と火星の大接近など、火星以外の惑星の見どころも予測されていますので、ぜひ夜空を見上げてみてくださいませ。
3月の天体にまつわる話
プレセペ星団の語源
かに座プレセペ星団の「プレセペ」とはラテン語で「飼葉桶」という意味で、星団を桶に入った餌、星団の両端にある2つの星を、それを食べるロバに見立てたところから付けれられています。プレセペ星団には、等級は低いものの200個以上の星があると言われ、そのぼんやりとした光の集まりは、飼葉桶以外に様々に例えられています。英語では「ビーハイブ(蜂の巣)」、中国では「積尸気(亡くなった人の魂の集まり)」の名がついていたり、かに座の甲羅に位置する為「カニみそ」と呼ばれることも。もやがかかったような星々の集まりに、美しさや不気味さを感じる、どこか魅惑的な星団です。
宇宙飛行士の仕事とは?
2023年2月、宇宙飛行士候補試験合格者の発表があり、宇宙での仕事に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか?宇宙飛行士の仕事には、宇宙船の操縦や修復、そして地球では行えない研究を行うことがあります。地球には、重力があり、宇宙放射線を遮る大気と磁場がありますが、ISSは、それらの影響が小さい微小重力・高真空の環境です。宇宙環境が生物に与える影響を調べたり、地球では比重の違いで混合や分離ができない物質について観察することができます。宇宙でなければ再現ができない環境下で研究された結果は、日常生活に欠かせない物質の製造工程改良や医療の発展などへの効果が期待されています。
(参考:JAXA公式サイト)
3月の星空情報
星空トピックス
3月2日(木)・・・金星と木星が大接近
3月7日(火)・・・満月(ワームムーン)
3月15日(水)・・・下弦
3月22日(水)・・・新月
3月24日(金)・・・細い月と金星が大接近/金星食
3月28日(火)・・・水星と木星が大接近/月と火星が大接近
3月29日(水)・・・上弦
3月31日(金)・・・金星と天王星が大接近
長門の日の入り時刻は18:10~18:34でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
日中はあたたかい日が増え、山風にも優しさを感じるようになってまいりましたが、季節の変わり目で朝夕の寒暖差が激しいこともございます。ドーム内は屋根が開いているため、気温が外と同じで大変寒くなることがございます。天体ドームにお越しの際は防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。