風情ある十三夜の月の輝きとペルセウス座二重星団の神秘的な輝き。秋の夜長は、2つの美しい輝きを見つけてみませんか?
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年10月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。(画像:大谷山荘・天体ドームの望遠鏡より撮影したペルセウス座二重星団)
天の川を背景に輝く「二重星団」若い星たちの神秘的な輝きを、ぜひ望遠鏡でご覧くださいませ
この夏の夜空を楽しませてくれた「土星」は、10月16日頃を最後に見納めとなり、それと入れ替わるように、少しづつ冬の星空が姿を見せはじめました。10月17日頃より、ペルセウス座二重星団の美しい輝きをご覧頂けるようになります。およそ300個の若い星たちの集団が2つならび、それぞれ青白い輝きが見事に夜空を彩ります。位置としては、ほぼ一年を通して北極星の周りにあるカシオペア座(
周極星といいます)と、そのペルセウス座の間にあり、天の川を背景に輝いております。望遠鏡で眺めてみると、背景の天の川がより一層神秘的な輝きを醸し出し、思わず引き込まれそうな美しさでございます。二重星団は肉眼でも見えるようですが、ぜひ、望遠鏡で背景の天の川と一緒にご観賞くださいませ。
続いて十三夜。中秋の名月に続く美しい月と称され、今年は10月11日にご覧いただけます。十三夜の月は十五夜の月と違い、決して満月にはならない月。未完成の美しさを愛した日本独特の美意識より生まれた日本独自の風習でございます。また、十三夜の月は比較的秋晴れの日が多く、美しい月が見られる確率が多いことから「十三夜に曇りなし」とも言われております。空気が澄み渡るこれからの季節、ぜひ天体ドームの望遠鏡から、その日の星空を眺めてみてくださいませ。
»ペルセウス座二重星団についての詳細を見る
10月の星にまつわる話~日本独自の風習「十三夜」
「十三夜に曇りなし」実はお月見にぴったりな季節?
十三夜とは、中秋の名月(十五夜)とともに美しい月として、中秋の名月の翌月、旧暦の9月13日に十五夜とともに月見が行われてまいりました。十五夜の起源は、唐で始まった「中秋節」が平安時代に中国から伝わってきた風習に対し、十三夜は日本独自の風習で、平安時代の寛平法王(宇多天皇)が催した月の宴が始まりと言われております(その他、収穫時期に当たるため収穫のお祭りとして根付いたという節もございます。また、ちょうど収穫の時期にあたる枝豆や栗を供えてお月見をする風習から「豆名月」や「栗名月」とも言われております)。また、二十四節気からみると、十三夜の頃はちょうど「寒露」の時期でございます。空気も澄み気候的にもお月見にふさわしいシーズンでもあるわけです。2019年は10月11日(金)、ぜひ中秋の名月を愛でるように、十三夜の月も楽しんでみてはいかがでしょうか?
満月にはならない「十三夜」の月。日本人に愛される理由は?
十三夜の月は十五夜と違い、決して満月とはならない月です。満月にはならない月をなぜ、日本人は愛でてきたのでしょうか?古来より未完成の美しさを愛でるという日本人ならではの美意識がございます。また、「十三夜」といえば女流作家樋口一葉の短編小説の名としても知られております。凛とした品格のある文体は、夜空に冴える十三夜の月をイメージさせてくれます。自然の流れに身を任せ、その日、其の季節だけ楽しめる美しさを愛する。豊かな自然に包まれた大谷山荘で、ぜひ季節の移ろいを感じる秋のひとときをお過ごしくださいませ。
10月の星空観測情報
星空観測スケジュール(予定)
- 10月2日(水)~4日(金)
土星、アルビレオ
- 10月5日(土)~16日(水)
月、土星、アルビレオ
- 10月17日(木)~31日(木)
アルビレオ、ペルセウス座二重星団
10月の星空トピック
- 10月06日(日)…上弦の月
- 10月11日(金)…十三夜(後の月)
- 10月14日(月)…満月
- 10月21日(月)…下弦の月
- 10月22日(火)…オリオン座流星群が極大
- 10月28日(月)…新月
長門の日の入り時刻は18:01頃でございます。夜は気温が15℃前後と、少し涼しさを感じるようになりました。秋の夜長にゆっくりと、山間の静かな夜をお愉しみくださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)
天体ドームご予約方法
詳細情報
- 開館時間…19:30~22:10
- 休館日…毎週火曜日
- 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
- 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
- ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)
観測スケジュール
- 19:30、19:50
- 20:10、20:30、20:50
- 21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
天体ドームからの情報一覧へ
■よくある質問
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」
「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。