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【4月の天体ドーム】春の夜空の代表する「アルクトゥールス」を観測。春の大三角形を見つけてみませんか?

北斗七星の「ミザール」から「アルクトゥールス」をたどり「スピカ」と「デネボラ」へ。春の大三角形のたのしみ方

「アルクトゥールス」と「スピカ」「デネボラ」の位置関係は?

ロマンチックな「夫婦星」と「デネボラ」。春の大三角形をみつけよう

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年4月にご覧いただける長門の星空情報をご案内いたします。 4月に注目したい星は、日本では麦星と呼ばれる「アルクトゥールス(うしかい座)」「スピカ(おとめ座)」「デネボラ(しし座)」。この3つの星は、春の大三角形を形成する星でございます。中でも、オレンジ色に輝く「アルクトゥールス」と青白く輝く「スピカ」は有名で、ふたつの星の色合いの対比から、別名「夫婦星」とも呼ばれております。肉眼でも少し離れた位置にあるこの夫婦星ですが、実はアルクトゥールスがスピカの方向に秒速125kmのスピードで移動しているとのこと。約6万年後には、スピカのそばにたどり着くと言われております。名実ともにロマンチックな夫婦星を見つけてくださいませ。

プラス「コル・カロリ」。宝探し気分で、春のダイヤモンドを見つけて

続いて、「デネボラ」。しし座の尾の部分に位置し、2等級の明るさのある白い恒星です。「アルクトゥールス」と「スピカ」(一等星)と合せて線で結ぶと大きな三角形ができあがります。さらに、「コル・カロリ」。北斗七星とともに、春の夜空の頭上高くに見える星座「りょうけん座」の三等星ですが、春の大三角形と合せるとひし形となり、春のダイヤモンドと言われております。コル・カロリは三等星のため見つけづらいかもしれませんが、宝探しの気分でぜひ見つけてください。

春の大三角形の見つけ方。ポイントは「ミザール」

アラビアの兵士の視力検査に使われた「ミザール」

とはいえ、無数の明かり輝く星空でどうやって、三角形を見つけるの?見つけ方のポイントは北斗七星の「ミザール」です。北斗七星は、ちょうど春の夜空の頭上高くに位置しており、柄杓のカタチをしていることから、非常に見つけやすい星座です。その柄の2つ目に輝く星が「ミザール」です。ミザールは、その昔、アラビアの兵士の視力検査に使われたといわれておりますが、年中、見ることができる星のため、非常に見つけやすい星でもございます。 ミザールを見つけたら、柄の部分のカーブに沿って、大きく曲線を描くと最初に「アルクトゥールス」が見つかります。さらに、曲線を延長すると「スピカ」にたどりつくことができます。あとは、アルクトゥールスと対照位置に「デネボラ」をみつけたら、春の大三角形の完成です。兵士の気分になって見つけてみてください。

4月の星にまつわるギリシア神話:なぜ麦の穂を持ったおとめ座が春?

おとめ座といえば誕生月は8月23日~9月22日。ちょうど日本では秋の頃です。実はおとめ座は農業の女神がモデルとなっております。ギリシア神話では、農業の女神デーメーテルの娘が、冥界の王・プルトーンの妻となったことから始まります。悲しみにくれたデーメーテルが嘆き続けている間、地上が枯れ果て作物も実らなくなり、人々が飢えてしまいました。それを見ていたゼウスがプルトーンに娘を母の元へ返すよう説得します。娘は再び母の元へ戻ることができたのですが、一年の四分の一は冥界にもどらなければならないという身になっておりました。母と娘が再開する春から秋にかけて作物が実り、娘が冥界に戻る冬の期間は作物が実らない冬。ちょうど、この物語が伝わることから四季ができたと言われております。そう考えると、何万光年と宇宙の星たちがすこし身近になってきませんか?

 4月の観測予定

  • ~4月9日(火) アルクトゥールス、ミザール
  • 4月10日(水)~20日(土) アルクトゥールス、ミザール、月
  • 4月21日(日)~30日(火) アルクトゥールス、ミザール
周りに建物の少ない真っ暗な長門の夜空は、星や月あかりが近くに感じます。夜風が気持ちのよい春になってまいりました。どうぞ、星空を眺めて山間の静かな夜をお愉しみくださいませ。お待ちいたしております。

天体ドームご予約方法

 詳細情報

  • 開館時間…19:30~22:10
  • 休館日…毎週火曜日
  • 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
  • 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
  • ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)

 観測スケジュール

  • 19:30、19:50
  • 20:10、20:30、20:50
  • 21:10、21:30、21:50

 ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

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■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」  のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。