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【12月の天体ドーム】プレアデス星団(すばる)を追うオリオン座が、東方より冬の到来を告げます。

寒空に姿を見せる、冬の星々の煌めきを望遠鏡で覗いてみませんか?

東の空で輝く明るい星たちが、木枯らしとともに冬の訪れを告げ始めました。おうし座にあるプレアデス星団は冬に見頃を迎える星のひとつでございます。「すばる」の名で古くから親しまれるプレアデス星団は、約410光年の距離にある散開星団でございます。星数は約130個あり、肉眼でも6~7個程観測いただけます。望遠鏡では更に多く、数十個もの星が観測できるため、冬季に人気のある星団でございます。
また、冬季に観測する天体の中で、非常に高い知名度のあるオリオン座が今月、その特徴的な鼓形の全貌を捉えられるようになりました。オリオン座には冬の大三角やダイヤモンドに数えられる星を保有しており、2個以上の1等星を持つ星座は全天88星座の中で3つしかなく、非常に珍しい星座でございます。寒空に昇るオリオン座といえば、初秋に沈むさそり座との浅からぬ縁は有名なお話でございますが、今月の天体にまつわる話にもオリオン座とプレアデス星団の神話を載せております。神話を通じて、星々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

12月のトピックス

神話・プレアデス星団を追いかけるオリオン

プレアデス星団は、大変美しい7人の姉妹が元になったと伝えられております。その美しさに惹かれたのがオリオン座の元になった狩人オリオンでございました。オリオンは姉妹たちにアプローチしようと近寄りますが、姉妹たちはオリオンの大きな姿に慌てて離れていきました。オリオンが追い、姉妹たちが逃げる。そうした追いかけっこが天まで続き、星となった今でもプレアデス星団を追いかけるように昇ると伝えられております。

三大流星群

1月のしぶんぎ座流星群や8月のペルセウス座流星群に加え、12月に発生するふたご座流星群は、どれも1時間あたりの平均流星数が約40~50個と、他の流星群の平均流星数が約10個程度に対し、ほぼ毎年安定して多くの流星が観測できることから、「三大流星群」と呼ばれております。
三大流星群で12月に発生するふたご座流星群。今年は12月14日の16時に極大となるため極大時の観測は難しく、同日の日没以降または、前日13日の日没以降の観測をおすすめしております。19日が満月となり月明かりもございます。視界に月が入らないようにご覧くださいませ。
流星群は、広い範囲の観測をおすすめしておりますので、望遠鏡での観測はできません。

国際宇宙ステーション(ISS)

12月8日から12月20日までの12日間、前澤友作氏が宇宙滞在を行なうとして「ISS国際宇宙ステーション」に注目されている方も多いのではないでしょうか?
ISS国際宇宙ステーション(以下ISS)とは、地上から約400㎞の上空にあり、約90分で地球を1周する有人実験施設でございます。日本からでも上空を周回するISSを観測することができますが、ISSは太陽光を反射することで地上からでも観測ができるようになるため、空が明るい昼中や太陽光が地球に遮られる夜中には見ることできません。観測地点の上空付近をISSが通過する、晴れの日が必須条件としてあり、更にISSに太陽光が当たっている時に地上が夜である必要がございます。これらの条件に合う時間は、日の入後または日の出前の2時間程度とされております。夕方から夜にかけ地上は暗くなっていきますが、その時点の上空では太陽光を遮るものはなく、上空400㎞地点のISSではまだ明るい状態となります。そのためISSに太陽光が当たっている時に地上が夜である条件を満たすようになるのでございます。
約90分で地球を1周するISSは観測チャンスも多く、山口県では12月19日が好条件となるようでございます。更に詳しく知りたい方はKIBO宇宙放送局#きぼうを見ようのサイトに、より詳しい解説がございます。
ISS国際宇宙ステーションは秒速7.7㎞の速さで周回しておりますので、望遠鏡を使用しての観測はできません。

12月の星空情報

星空観測予定

12月上旬…ペルセウス座二重星団・プレアデス星団(すばる)・アルデバラン・ベテルギウス
12月中旬…月・ペルセウス座二重星団・プレアデス星団(すばる)・アルデバラン・ベテルギウス・リゲル
12月下旬…ペルセウス座二重星団・プレアデス星団(すばる)・アルデバラン・ベテルギウス・リゲル・オリオン大星雲

星空トピックス

12/4:新月
12/7:大雪(二十四節気)
12/11:上弦
月面X(21:50頃)
12/14:ふたご座流星群が極大12/13~12/15にかけて(条件若干良)
12/19:宇宙国際ステーション(ISS)が日本上空通過(6:22~6:28/南西から北西へ)
   :満月(コールドムーン/今年最少の満月)
12/22:冬至
12/23:こぐま座流星群が極大(0時頃/条件悪)
12/27:下弦

2022年元旦・山口県の初日の出情報

時間・・・7:20頃
方位角・・・117.6度(東南東)

2021年5月に起こった皆既月食が年内最大の満月でございましたが、今月12月19日の満月は今年の中で最も小さく見える「最小の満月」でございます。月が地球の周りを公転する軌道は楕円形をしており、地球との距離は一定を保っているわけではございません。この楕円形は、太陽や地球との重力が関係し近づいたり遠ざかったりするのです。
また、満月が地球に最も近い時には「最近(さいきん)」、最も遠い時には「最遠(さいえん)」の満月と呼ぶこともございます。
更に詳しく知りたい方は国立天文台のサイトに、より詳しい解説がございます。

12月初旬の夜の気温は1~3℃と冬の寒さが厳しくなってまいりました。上着を着ていても長時間の滞在にはさらに注意が必要でございます。天体ドームでは例年半纏をご用意してお客様をお迎えしていましたが、本年は新型コロナウイルス感染防止の観点からご用意することができません。ドーム内は屋根が開いているため気温が外と同じで大変寒くなります。天体ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。

12月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。