- 天体ドーム
- 2022/12/08
【12月の天体ドーム】綺羅びやかな夜空でひときわ赤く輝く火星が主役。惑星の模様や星団を望遠鏡から覗きます。
地球との最接近や衝を迎える火星。同じく赤く輝く星々との違いにも注目です
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2022年12月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
冬のダイヤモンドと呼ばれる輝きの強い1等星や、青い光が集まるプレアデス星団、肉眼でもぼんやりと見えるオリオン大星雲など、きらめく星々が見られる夜空の中で、今月は赤く輝く火星が観測好機を迎えます。12月1日には約2年2ヶ月ぶりに火星と地球が最接近し、約8100万kmまで近づきました。軌道が楕円形であるために最接近距離は毎年異なり、小接近の時は約1億kmまでしか近づきません。距離が近いために、マイナス等級の明るさで輝いて見え、視直径が大きくなる11~12月の期間は望遠鏡での模様の観測がよりしやすくなります。12月8日には衝を迎え、月とも接近するため、周囲で赤く見える星、おうし座のアルデバランやオリオン座のベテルギウスとの見分けも付きやすくなるのではないでしょうか?今月の中旬はふたご座流星群、下旬には水星から海王星までの全惑星が見える惑星パレードも待っており、肉眼での天体観測も捗りそうです。
12月の天体にまつわる話
火星はなぜ赤いのでしょうか。
地球との距離が近く、環境も似ているところが多い火星は、液体の水の存在や人類の移住可能性についての調査が多くなされており、関心を集めている星です。火星は地球の半分ほどしかない小さな惑星で、表面の大部分は酸化鉄で覆われており、太陽からの光を受けて赤く見えています。火星には、峡谷や山、海と呼ばれる暗い部分があり、それらが表面の模様を作り出しています。同じ冬の夜空には、アルデバランやベテルギウスなどの赤い星が目をひいていますが、これらは太陽のように自ら光り輝く恒星で、表面温度が低いために赤くみえています。
火星についてはアストロアーツ社HPの記述が参考になります。
ふたご座流星群が極大を迎えます。
12月14~15日頃に見頃を迎える冬の定番「ふたご座流星群」。月明かりの影響を受ける時間帯からは、その方角を避け、夜空を広く見渡すと流れ星が見つかりやすくなります。流星群は、母天体から放出される小さな塵が地球の大気圏に飛び込み、大気中の原子や分子と衝突してプラズマ発光をすることで観測されます。流星群が毎年同じ時期に起こるのは、この母天体の軌跡に地球が突入することで見られるからです。ふたご座流星群は軌道全体に塵が分布しているため、毎年安定して多くの流れ星を観測できます。冬の夜は大変寒くなりますので、しっかりと防寒の上、空を見上げてくださいませ。
※流星は望遠鏡では観測できません。肉眼で観測くださいませ。
12月の星空情報
星空観測予定
12月1日(木)~12月10日(土)・・・月、火星、木星、プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団
12月11日(日)~12月28日(水)・・・火星、プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、オリオン大星雲
12月29日(木)~12月31日(土)・・・月、火星、プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、オリオン大星雲
星空トピックス
12月1日(木)・・・火星が地球に最接近
12月2日(金)・・・月と木星が接近
12月7日(水)・・・大雪
12月8日(木)・・・満月(コールドムーン)
・・・月と火星が接近
・・・火星がおうし座で衝(太陽・地球・火星が一直線上に並ぶ現象)
12月14日(水)・・・ふたご座流星群が極大
12月16日(金)・・・下弦
12月22日(木)・・・冬至
12月23日(金)・・・新月
12月29日(木)・・・月と木星が接近
12月30日(金)・・・上弦
長門の日の入り時刻は17:05~17:14でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
–天体ドームからのお願い–
これから季節は寒さが厳しくなってまいります。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり大変寒いです。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。またドリンク等のドーム内への持ち込みはご遠慮くださいますようお願いします。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。