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【2月の天体ドーム】春寒の夜旅を謳歌する、ふたご座のカストルとポルックス

仲睦まじいふたご座のカストルとポルックスに、春の訪れを告げるかに座のプレセペ星団が見頃を迎えます。

梅の花香る風とともに、東の空では次第に春の星が昇り始めてまいりました。
冬から春へ季節が移ろう時期となりますが、空の舞台ではまだ、おうし座のプレアデス星団(すばる)や、全天で最も明るいおおいぬ座のシリウスに、ふたご座のカストルやポルックスなど、冬の星たちが華々しく輝いています。
中でも、ふたご座は三大流星群のひとつであることから知名度が高く、目印となる星が近くにあるため見つけやすく、見頃となるこの時期におすすめの星座でございます。

ふたご座の姿は、漢字の「几」に似たシンメトリーに近い形をしており、オリオン座のベテルギウスからこいぬ座のプロキオンを結び、そこから北の方角にほぼ直角三角形をつくるように辿ると、ふたご座の弟・ポルックスの優しいオレンジ色の輝きと、その隣で青白い光を放つ兄のカストルへとたどり着きます。
双子の仲良し兄弟の東側には、春の星座で一番最初に顔を出す、かに座も同じく見頃を迎えます。
星座の中で目立った星はありませんが、星座の中心に春の代表的な散開星団のプレセぺ星団(M44)がございます。月の出ていない日には肉眼でもぼんやりと見えるためプレセぺ星団よりも、かに座の形を見つける方が難しいとされています。

2月のトピックス

黄道十二星座

黄道十二星座とは、太陽が約1年かけて通る黄道に位置する12個の星座の総称でございます。 太陽が通る道を黄道というものの実際に太陽が移動して通るわけではなく、地球の公転によって移動しているように見える、見かけの通り道を表したものになります。
黄道十二星座に属する星座は、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座の12個の星座で、星占いに使われるため非常に親しみやすい星座でもあります。
どの星座にも成り立ちとなった神話が伝えられ、冬の終わりに見頃となるふたご座には仲良しな双子の兄弟の神話が伝えられています。

ふたご座の神話

双子の仲良し兄弟のカストルとポルックスは大変武勇に長けており、旅をしながら数多の戦で名を轟かせておりました。
それもそのはず、この双子の父は大神ゼウス。血を強く受け継いだ弟ポルックスは、体の半分が神様であったために不死身の肉体を、一方兄カストルは、不死身の体を持たない一般人でございました。それゆえに、戦の流れ矢に射抜かれたカストルは命を落としてしまいます。ポルックスは深く悲しみ、いつまでも兄と一緒にいるために自分の不死身の解いてほしいと父であるゼウスに強く懇願します。心打たれたゼウスは願いを聞き入れ、兄弟がいつも一緒にいられるようにと天に上げ、今でも2人は仲良く天を旅しているのです。

2月の星空情報

星空観測予定

2月中旬…月・プレアデス星団(すばる)・ベテルギウス・リゲル・シリウス・カストル・ポルックス
2月下旬…プレアデス星団(すばる)・オリオン大星雲・ベテルギウス・シリウス・カストル・ポルックス・プレセぺ星団(M44)

星空トピックス

2/1:旧正月
  新月
2/3:節分
2/4:立春
2/8:上弦の月
2/17:満月(スノームーン)
2/19:雨水
2/24:下弦の月

長門の日の入り時刻は18:00頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。 (参照:国立天文台の公式サイトへ

暦の上では春を迎え、夜更けの時間も日に日に遅くなってまいりましたが、夜の気温はまだ低く、天体ドームでは例年半纏をご用意してお客様をお迎えしていましたが、本年も新型コロナウイルス感染防止の観点からご用意することができません。ドーム内は屋根が開いているため気温が外と同じで大変寒くなります。天体ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。

2月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。