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【1月の天体ドーム】最接近する火星や輝きの強い木星が観測好機。冬のダイヤモンドも夜空を彩ります。

2年ぶりに火星が最接近。冬のダイヤモンドと惑星の輝きをご覧くださいませ。

澄んだ冬の夜空で輝きの強い1等星やマイナス等級の惑星が煌めいています。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2025年1月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

冬は一年の中で最も多くの一等星が見られる季節。今月も冬を代表する星々が夜空を賑わせています。なかでもカペラ、アルデバラン、リゲル、シリウス、プロキオン、ポルックスが形作る六角形の星の並びは冬のダイヤモンドと呼ばれ、煌びやかな輝きを見せてくれています。また、惑星も観望を迎えており、先月衝を迎えた木星、そして今月最接近する火星はひときわ輝いています。いずれもマイナス等級で、全天で最も明るい星・シリウスにも匹敵する明るさです。火星は約2年2カ月ごとに地球と最接近しており、今月12日がその時となります。地球からの接近距離は約9600万㎞で、最接近が起こる年の中では遠い方ではありますが、次回はまたさらに離れてしまうため、この機会にじっくりとご覧くださいませ。木星は火星よりもさらに明るく、-2.5等級前後となります。まちあかりのなかでも肉眼で見つけられるほどに輝き、望遠鏡で観測するとその特徴的な縞模様を見ることができます。冬の寒さに目線を落としがちな季節ではございますが、見上げてみると思わずその正体を探りたくなるような美しさが広がっております。ぜひこの観測好機に星の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

1月の天体にまつわる話

火星の特徴

火星の地表は、酸化鉄を多く含む岩石や砂で覆われているため、地球からは赤く輝いて見えます。大きさは地球の半分ほどで、重力は地球の1/3程度ですが、1日の時間は24時間37分、自転軸の傾きは約25℃で四季があるところなど地球と似たところもございます。火星にも大気がありますが、二酸化炭素が主成分で、重力が小さく磁場を持たないために大気圧は地球の0.6%程度。地球のように宇宙放射線から守られることもなく、人間がそのままの姿で歩くことは難しい環境ではありますが、氷の状態でも水が存在していることなどから生命の存在や火星への移住への研究が進められています。

最接近と衝の違い

今月12日に火星が地球と最接近、17日に火星が衝となります。衝とは、太陽と地球と外惑星の順に一直線に並ぶ瞬間のことで、その位置関係から対象の惑星をほぼ一晩中観測することができます。一方地球との最接近は、あくまで地球と火星の距離が最も短くなることですので、楕円軌道をしている火星との最接近と衝は同日に起こるとは限らないことになります。最接近の時には火星を近くで観測できるようになりますが、年によってその距離は異なり、最も近くなる時で5000万㎞台、最も遠くなる時で1億㎞を超えるようになります。地球から月までの距離が約35万㎞であることを考えると、お隣の惑星といえども最接近の時でさえかなり距離があるということが分かります。赤く輝く火星の姿を見つめながら、宇宙の大きさを感じてみてくださいませ。

1月の星空情報

星空観測予定

1月上旬・・・・木星、土星、ベテルギウス、シリウス、プレアデス星団(すばる)
1月中旬・・・・月、木星、土星、火星、ベテルギウス、シリウス、プレアデス星団(すばる)
1月下旬・・・・木星、土星、火星、ベテルギウス、シリウス、プレアデス星団(すばる)

星空トピックス

12月1日(日)新月
1月1日(水)初日の出
1月4日(土)月と土星が接近、しぶんぎ座流星群が極大
1月7日(火)上弦
1月12日(日)火星が最接近
1月17日(金)火星が衝
1月14日(火)満月(ウルフムーン)
1月22日(水)下弦
1月29日(水)旧正月、新月

長門の日の入り時刻は17:15~17:43でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

冬らしい寒さが訪れ、外では上着を着ていても長時間の滞在には注意が必要になってまいりました。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり寒くなります。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。

1月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。