- 天体ドーム
- 2024/07/05
【7月の天体ドーム】七夕の星・ベガとアルタイルが輝く夜空を望遠鏡で観測します。
おり姫と彦星が主役の夏の大三角が見頃を迎えます。
ベガにアルタイル、デネブと夏を代表する一等星をご覧くださいませ。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年7月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
夏至を過ぎ、夏の天体が東の空から登ってまいりました。先月も観測した、おり姫星のベガに続き、天の川を渡るはくちょう座のデネブ、彦星のアルタイルが見頃を迎えます。この三つの星を結ぶと夏の大三角となります。
ベガはこと座の一部で、平行四辺形のように並んだ4つの星のそばにあり、アルタイルはわし座で、羽を広げた鷲の中央にあります。中国の七夕伝説の中ではそれぞれ、おり姫星、彦星とされ、アルタイルの両脇にある星は彦星が連れる牛の姿とも呼ばれています。ベガとアルタイルは世界各地で対になる星として考えられており、バビロニアでは「下降する鷲」をベガ、「飛び立つ鷲」をアルタイルとしてその名の由来にもなっています。
天の川をまたぐように広がるはくちょう座は、七夕伝説では、おり姫と彦星を出合わせるために橋を架けてくれるカササギとして登場します。はくちょう座のデネブは白鳥の尾の部分にあることから名が付いたといわれています。1.25等級の輝きを放ち、見かけの等級はベガには劣るものの、絶対等級は-8等で、地球からはベガやアルタイルよりもはるかに遠い約1400光年先にあります。宇宙から眺めると関連のない星も、地球から眺めると、繋がりがあるかのように見えてくる天体。今月は伝説や神話を紐解いてみても楽しみが広がるかもしれません。
7月の天体にまつわる話
現代の七夕とは異なる伝統的七夕の決め方
現代の暦は、太陽の周期で1年を決める太陽暦(新暦)が採用されていますが、改暦が行われた明治時代以前は、月の周期で1か月を決め、数年に1度閏月を設けることで太陽の動きにも暦を合わせて季節の補正を行う太陰太陽暦(旧暦)が使われていました。元々七夕は旧暦での7月7日に行事が行われていた為、現在の七夕と区別し、旧暦の七夕を伝統的七夕と呼ぶようになりました。伝統的七夕は、「二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目」と定義されています。現代の暦で8月にあたることが多い為、梅雨も明けて天体観測がしやすい時期が本来の七夕となります。2024年の伝統的七夕は8月10日になる予定です。
※伝統的七夕の定義(引用:国立天文台)
7月の星空情報
星空観測予定
7月上旬・・・ベガ、アンタレス
7月下旬・・・月、夏の大三角、アルビレオ、アンタレス
星空トピックス
7月2日(火)細い月と火星が接近
7月6日(土)小暑、新月
7月7日(日)七夕
7月14日(日)上弦
7月19日(金)夏の土用
7月21日(日)満月(バックムーン)
7月22日(月)大暑、水星が東方最大離角
7月24日(水)月と土星が大接近
7月25日(木)土星食
7月28日(日)下弦
長門の日の入り時刻は19:16~19:30でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
梅雨に入り、夜も曇り空が続いております。当館のございます中国地方では、7月20日頃が梅雨明けになると予想されており、なかなか天体観測には向かない日が続いておりますが、それでもたまに見せる晴れ間に観測の機会が生まれることを願っております。望遠鏡からご覧いただけない場合には、過去に撮影した天体をお見せしながら解説を行っておりますので、ぜひ天体ドームへお越しくださいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日(他、臨時メンテナンスも設けております。)
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。