- 天体ドーム
- 2023/06/13
【6月の天体ドーム】夏の星座、こと座のベガとさそり座のアンタレス。季節の変わり目を、天体からも感じてくださいませ。
夏を代表する星座や、七夕の時季にだけ再会できるおりひめ星と彦星も6月下旬に顔を出し始めます。
3箇所で輝く、春夏の星の色の違いをご覧いただけます。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2023年6月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
日の出から日の入りまでの時間が1年の中で最も長いひと月となりました。6月の夜空には西へ傾く春の星座と、東の空から昇る夏の星座と、天体観測においても季節の変わり目を感じていただけます。夏の星座の代表の一つこと座は、日本の伝統楽器の琴ではなく、西洋のたて琴(ハープ)がモデルになっています。こと座の星をつなぐと平行四辺形の形をしており、長い方の線がたて琴の弦を表しております。こと座の一等星の「ベガ」は別名「真夏のダイヤモンド」と呼ばれるにふさわしく、ダイヤモンドのように青白い輝きを放ちます。さそり座は天の川沿いに大きなS字型をしており、実際のさそりの形と似ている為、最も見つけやすい星座のひとつです。さそり座の一等星の「アンタレス」はさそりの心臓付近に位置しています。また、火星のように赤く光っている為、火星(マルス:Mars)に対抗する(アンチ)ものという意味でアンタレスと名付けられました。春の星の「アルクトゥールス」は明るいオレンジ色に光り、夏の星の「ベガ」はダイヤモンドのように青白く、心臓のように赤い「アンタレス」の3つの星、それぞれ異なる色に輝く星をご覧くださいませ。
6月の天体にまつわる話
ベガ(おり姫星)とアルタイル(彦星)は再会できる?
6月下旬には、こと座のベガ(おり姫星)とわし座のアルタイル(彦星)がご覧いただけます。ベガとアルタイルは、日本でも古くから言い伝えられております、七夕伝説に登場するおり姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)として知られております。しかし、1年に一度の再会が認められているふたりの星の間には、約14.4光年も離れており、光のスピードにおいても約15年もかかるほどの距離があります。その為、七夕の夜にだけ近づく、再会するということは出来ないのです。そこで昔の人は、おり姫星と彦星の距離を縮めようと、たらいに水を張りそこにふたつの星を映し出し、水をかき混ぜてふたりをひとつにしてあげていたと言われております。夜空にベガとアルタイルが見えた時には、是非たらいと水の中でふたりを再会させて、ロマンティックな気分をお愉しみくださいませ。
6月の星空情報
星空観測予定
6月1日(木)~6月4日(日)・・・月、アルクトゥールス、スピカ、北斗七星(ミザール・アルコル)
6月5日(月)~6月22日(木)・・・アルクトゥールス、ベガ、アンタレス、はくちょう座(アルビレオ)
6月23日(金)~6月30日(金)・・・月、ベガ、アルタイル、アンタレス、はくちょう座(アルビレオ)
※21:10までの早い時間帯は、金星や火星をご覧いただけます。
星空トピックス
6月4日(日)満月(ストロベリームーン)
※ストロベリームーン…月が実際に苺色に見えるのではなく、北アメリカの先住民により、この時期に苺が収穫されていたことから、6月に昇る満月を「ストロベリームーン」と名付けられました。
6月6日(火)芒種
6月10日(土)月と土星が接近
6月11日(日)下弦
6月14日(水)金星とかに座プレセペ星団(M44)が最接近
6月18日(日)新月
6月21日(水)夏至
6月22日(木)細い月と火星・金星が接近(並んで見える)
6月26日(月)上弦
長門の日の入り時刻は19:23~19:33でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
今月は夏至を迎え、日没が最も遅くなる月となります為、20時10分以降のご予約がおすすめでございます。また、梅雨の季節に入り、天候によって星や月がご観測いただけない場合には、以前撮影いたしました天体をご覧いただいております。また、専門の担当者が季節に合わせてご案内いたしておりますので、雨の夜でも天体ドームを覗きにお越しくださいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。