- 天体ドーム
- 2024/06/12
【6月の天体ドーム】ベガやアンタレスなど眩ゆい夏の星を観測してみませんか?
こと座のベガやさそり座のアンタレスなど夏の天体が姿を現しています。
季節は春から夏へ。肉眼でも見つけられる輝きの強い星々を望遠鏡から鮮やかに。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年6月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
山景色が春から夏へと変わるように、夜空の季節もゆっくりと夏の装いを見せております。まだ春の大曲線を描く星々を残しながらも、夏を代表すること座のベガや、さそり座のアンタレスが見頃になってきました。こと座のベガはおりひめ星として知られていますが、かつては北極星でもあった星です。北極星は天の北極に最も近い星が選ばれ、地軸の歳差運動により現在はこぐま座のα星に移っていますが、また1万2000年後には再びベガが北極星として輝くようになります。全天で5番目に明るい星で強く青白い光を放っており、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブとを結ぶと「夏の大三角形」になります。
南東から現れるアンタレスは、さそり座で最も明るく、ひときわ赤く輝いています。天体ドームではご覧いただけない時間帯ではございますが、6月20日の18:30~19:00頃には、月による恒星食が起こる、今月注目の天体です。
ベガは0等級、アンタレスは1等級で、肉眼で夜空を見上げてもすぐに見つけられるほど強く輝いています。天体望遠鏡ではその色合いや輝きの強さを一層鮮明に感じていただけますので、旅の思い出にぜひ観測いただき、また旅の後に見上げた星にその記憶を重ねていただければ幸いに存じます。
6月の天体にまつわる話
天体の明るさを図る方法
天体の特性を知るための基本的な測光システムとして、ジョンソンUBVシステムが使われています。UBVはそれぞれUフィルター(紫外線域)、Vフィルター(可視光線)、Bフィルター(青色域)で構成されており、通常恒星に対して「~等星」と呼ぶ場合には、Vフィルターで計測された「見かけの等級」を指しています。UBVシステムにおいて、V等級はそれ以前に認知されていた国際式標準星の写真実視等級と同一と定義され、また、U等級とB等級は、こと座のベガを含む6個の星の平均カラーを0とすることで定義されています。こうして定められたシステムを活用し色指数を測ることで、恒星の表面温度や距離などを調べることができます。UBVシステムによるとベガは平均からわずかにずれていますが、原点に近く、その他のシステムではベガを0等と定義して測定するものもあり、天体観測に大きな役割を担っています。
6月の星空情報
星空観測予定
6月上旬・・・ベガ、アンタレス
6月下旬・・・ベガ、アンタレス、月
星空トピックス
6月4日(火)水星と木星が最接近
6月5日(水)月が木星に最接近
6月6日(木)新月
月が金星に最接近
6月14日(金)月面Xが見える
上弦
6月21日(金)夏至
6月22日(土)満月(ストロベリームーン)
6月27日(木)月が土星に最接近
6月29日(土)下弦
長門の日の入り時刻は19:21~19:30でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
今月は21日に夏至を迎え、1年の中でも夜が短い月になります。日没が遅くなります為、天体観測は20時10分以降のご予約がおすすめでございます。また、梅雨入りしますと、雨や曇天の日も増えてまいりますが、天候によって望遠鏡から観測いただけない場合には、過去に撮影しました天体をご覧いただきながら、専門の担当者が解説をしております。空を見上げる機会が少ない季節ではございますが、天体ドームが星を楽しむきっかけとなりますよう、ご準備しお待ちいたしております。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日(他、臨時メンテナンスも設けております。)
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。