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【3月の天体ドーム】浅春に昇る北斗七星にプレセペ星団など、優しく輝く春の星

春の始めに見頃となる北斗七星や、かに座のプレセぺ星団を観測してみませんか?

草木が芽吹き始め、陽光の暖かさを日増しに感じる季節となりました。空模様は春の星ヘと誘われ、かに座や北斗七星など、春に観測好機を迎える星が次第に昇ってまいりました。かに座にあるプレセぺ星団(M44)も早い時間に見えるようになり、春の到来を一層感じさせます。プレセぺ星団は肉眼でもぼんやりと見ることができ、冬の大三角のシリウスからプロキオンを結んだ先に位置しております。星団よりも見つけにくいかに座は、プレセぺ星団を囲う四角形の角からそれぞれ手足を伸ばしたような形をしております。北斗七星は沈むことのない周極星といわれているものの、暖かくなるこの時期から高い位置に昇り始めるため、これからが観測するタイミングとしておすすめの時期となります。おおぐま座の腰から尻尾にかけて位置する北斗七星。その形は特徴的な柄杓型をしており、杓から柄に向かって、ドゥベ・メラク・フェクダ・メグレス・アリオト・ミザール・アルカイドとそれぞれ名前がございます。尻尾の先から二番目のミザールをじっくりと眺めて見ると、傍らに寄り添い輝くアルコルが見えてくるかもしれません。このアルコルの明るさは4等星程と目立つような明るさはなく、アラビア語で「淡い・かすかな」の意味がある(al Khawwar)が由来となっており、かつては視力検査の星としても用いられました。プレセぺ星団や北斗七星を肉眼で観測する際には、是非かに座やアルコルの観測にも挑戦してみてくださいませ。

3月の天体にまつわる話

強大な英雄に立ち向かった大蟹

春の大三角の一角を担う獅子座、ギリシャ神話でヒドラと呼ばれるうみへび座、そして巨大な英雄に挑んだかに座、お互いに隣り合うこれら3つの春の星座には、英雄ヘルクレスに討伐された共通点がございます。罪を犯し悔やむヘルクレスに与えられた、非常に困難な12の討伐や捕獲などの試練に語られる獅子座やうみへび座。しかし、かに座だけはこの試練に含まれていません。かに座は、ヘルクレスの強大な力に恐れた女神ヘラが、ヒドラを討伐している最中のヘルクレスへ差し向けた大蟹でございます。大蟹はヒドラ退治に尽力するヘルクレスの足を挟みますが、驚いたヘルクレスに踏み潰されてしまいます。勇敢にも強大な相手に挑んだ大蟹を哀れんだ女神ヘラは、夜空に大蟹を上げ星に変えたとされています。ヘルクレスに踏み潰された名残か、星座としてのかに座の姿は、一か所だけ足の欠けたような形をしています。

星の一生と散開星団の誕生

太陽の8倍以上の巨大な質量を持つ星は活動の終わりを迎えると、それまで均一に保っていた自らの重力によって崩壊し、超新星爆発を起こしてしまいます。爆発し吹き飛ばされたチリやガスから、数十万年や数百万年かけ新たな星が誕生いたします。その時に生まれる星は一つではなく、同時にいくつもの星が生まれ、そうした星たちがいまだに近い位置にある状態の星団を、散開星団と呼んでおります。散開星団は生まれたばかりの星の集いであり、青色に輝く星が多いことが特徴でございます。おうし座のプレアデス星団や、かに座のプレセぺ星団などがこの散開星団に分類されています。

3月の星空情報

星空観測予定

3月上旬…かに座プレセぺ星団(M44)・カストル
3月中旬…月・プレセぺ星団(M44)・北斗七星(ミザール・アルコル)
3月下旬…プレセぺ星団(M44)・北斗七星(ミザール・アルコル)

星空トピックス

3/3:新月
3/5:啓蟄
3/6:木星が合
3/10:上弦の月
   月面Xが見える
3/12:月が最北
3/18:春の彼岸
   満月(ワームムーン)
3/21:春分
3/25:下弦の月
   月が最南

長門の日の入り時刻は18:20頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

暖かなお昼どきが日に日に増え、夜更けの時間も遅くなってまいりましたが、日暮れの後の夜風はまだ冷たさを感じます。
天体ドームでは例年半纏をご用意してお客様をお迎えしていましたが、本年も新型コロナウイルス感染防止の観点からご用意することができません。ドーム内は屋根が開いているため気温が外と同じで大変寒くなります。天体ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。

3月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。