- 天体ドーム
- 2025/03/11
【3月の天体ドーム】青白く輝くプレアデス星団や惑星の姿を望遠鏡から観測します。
おうし座の散開星団プレアデス星団や木星が観測好機。望遠鏡から星を近くに感じてくださいませ。
プレアデス星団に見られる数多の星々、特徴的な木星の模様をご覧いただけます。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2025年3月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
先月に引き続き、見どころとなるのはプレアデス星団と木星。プレアデス星団は別名すばると呼ばれており、日本でも古くから愛されてきました。約6000万年前に誕生したとされ、太陽が生まれてからずっと後にできた比較的新しい散開星団です。今月上旬には月がプレアデス星団を隠すプレアデス食が起こりました。今年はあと3回夜間にプレアデス星団食が起こる予定です。木星は、6日に月と最接近が起こるなど今月も見頃を迎えています。今期の木星はおうし座の領域にあるため、プレアデス星団とも近い位置で観測されます。厚い雲が生み出す特徴的な縞模様は、地球から約7億㎞以上離れていても望遠鏡から見ることができます。
また、一等星がダイヤモンド型に並ぶ、冬のダイヤモンドもまだ夜空にのぼっており、青白く輝くシリウスや赤いベテルギウスなど色鮮やかな星を眺めることができます。お天気が良い日には夜空の下ご案内させていただくこともございますので、星の輝きをつぶさに見つめた後は、星と星が結ぶ形を確かめてみてくださいませ。
3月の天体にまつわる話
プレアデス星団の星々
プレアデス星団には数百もの星が集まっていると言われていますが、その中でも特に明るい星たちには名前が付けられており、ギリシャ神話に出てくる7人姉妹とその両親の名が由来になっています。最も明るい星は姉妹の内の一人アルキオネ(おうし座η星)で3等星の青色巨星です。また、7番目に明るい星プレイオネは5等星ですが、すぐそばに3等星のアトラスがあるため、見つけにくくなっています。一つ一つは目立ちませんが、仲良く集まりぼんやりと青白く輝くプレアデス星団の姿を見つけてみてくださいませ。
土星の環の消失
この時期、土星は太陽側に近いため、観測が非常に難しくなっていますが、地球から見て環の傾きが0になる、土星の環の消失が2025年3月24日に起こります。これは2009年以来の現象で、環のない土星を観測することができます。土星の環の厚さは数百mと非常に薄いため、地球が土星の環を真横からみる位置にくると、消失して見えます。土星の公転周期は約29.5年ですので、その半分の約15年に1度土星の環の消失が起こることになります。これとは別に、太陽が土星の環を真横から照らすことで環が見えなくなる消失パターンもあります。この現象は2025年5月7日に発生する予定です。
3月の星空情報
星空観測予定
3月上旬・・・・木星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
3月中旬・・・・月、木星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
3月下旬・・・・木星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
星空トピックス
3月5日(水)啓蟄、プレアデス星団の食
3月6日(木)月が木星に最接近
3月7日(金)上弦
3月14日(金)満月(ワームムーン)
3月17日(月)春の彼岸
3月22日(土)下弦
3月24日(月)土星の環の消失
3月29日(土)新月
山口県の日の入り時刻は18:10~18:34でございます。
日ごとの日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
3月に入り、日中は少しずつあたたかな日が増えて参りましたが、夜の長時間滞在はまだ注意が必要になります。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり寒くなります。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。
天体ドームご予約方法

詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。