- 天体ドーム
- 2023/05/13
【5月の天体ドーム】おとめ座のスピカは春の一等星。静かな夜空で清廉に輝きます。
青白く輝くおとめ座のスピカやアルクトゥールス、今月も春を代表する星々が見頃です。
農業の女神が携える麦の穂先「スピカ」が、おとめ座でひときわ輝きます。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2023年5月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
暦の上では夏至を迎え、日一日ごとに夜の短さも感じるようになってまいりましたが、夜空はまだ春の星座をしっかりとご覧いただけます。この時期黄道に現れるスピカは、おとめ座の一等星で、オレンジ色に輝くアルクトゥールスとは対照的に青白く光ります。表面温度は約20,000℃で、同じように青白く見えたオリオン座のシリウスやこと座のベガよりも高温です。おとめ座は、全天の星座の中ではうみへび座に次いで2番目に大きな星座ですが、他の星は等級が低く姿を捉えにくいため、一等星のスピカはおとめ座を探すのにも役立ちます。おとめ座はギリシア神話では農業の女神がモデルになっており、その手に携えられている麦の穂には、穂先を意味する「スピカ」が輝いています。その他、今月はスピカとともに春の大曲線や春の第三角の一部となっている、うしかい座のアルクトゥールスや北斗七星も観測好機です。
5月の天体にまつわる話
複数の星が互いに回り合うスピカ
肉眼で見ると一つの星に見えるスピカですが、実は連星であることが知られています。連星とは、2つの恒星が互いに引力を及ぼし合って、共通する重心の周りを公転しあっている星のことです。自ら光り輝く恒星の約半分は連星になっていると言われており、太陽も過去連星だった可能性があるとの研究もあります。スピカは二つの恒星が回り合う他、さらに3つの伴星もともなっており、5つの星が影響しあう連星であるとされています。
5月の星空情報
星空トピックス
5月 6日(土)立夏/半影月食・満月(フラワームーン)
5月12日(土)下弦
5月17日(水)月が木星に最接近
5月20日(土)新月
5月23日(火)細い月と金星が大接近
5月24日(水)月と火星が接近
5月27日(土)くじら座ο星ミラが極大
5月28日(日)上弦
長門の日の入り時刻は18:58~19:20でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
陽の光が透き通る新緑に囲まれて、清々しい景色を眺めるようになってまいりました。季節の変わり目でございますので、夜の天体観測の際には、装いに気をつけてお過ごしくださいませ。山々に囲まれた長門湯本の夜空には、まちなかからの光も届くことなく、穏やかに輝く星々を見つけることができます。天体ドームでは専門の担当者がその日に見える天体を望遠鏡でご案内しておりますので、ぜひ星の世界を覗きにお越しくださいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。