- 天体ドーム
- 2024/05/15
【5月の天体ドーム】北斗七星のミザールとアルコル、春の星々を望遠鏡でお愉しみくださいませ。
北斗七星で輝く連星や、注目の天体現象をご紹介します。
北斗七星のミザールとアルコル、春の星々をご覧いただけます。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年5月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。日没を迎える時間が遅くなり、夜空に星が浮かぶのが待ち遠しい頃になりました。今月も、うしかい座のアルクトゥールスや、おとめ座のスピカなど、春の星々をご覧いただけます。からす座、おとめ座と続く春の大曲線の先にある北斗七星は、おおぐま座の一部です。おおぐま座は一年中ご覧いただけますが、春の間は空高くに見ることができ、より観測しやすくなります。北斗七星の柄の部分にはミザールとアルコルという星があります。ミザールは2等星、アルコルは4等星で、肉眼では近接して見え、視力が良い人であれば見分けられます。ミザールは望遠鏡で観測するとさらにミザールAとミザールBの2つの星に分かれて見えますが、分光観測の結果によると、アルコル、ミザールA、ミザールB、いずれも連星であることが分かっています。2つしかないように見える遥かかなたの星々ですが、実は6個の星でできていることになります。春に霞む空の先には、見えている以上にたくさんの星が広がっているのかもしれません。
5月の天体にまつわる話
太陽フレアとは
太陽フレアが大規模に発生していることによる磁気嵐やオーロラ現象がみられることが話題になっています。太陽の表面には周囲より磁場が強く温度が低い黒点があり、黒点付近に生じた磁場のひずみが限界に達するとフレアという爆発が発生するといわれています。この爆発のガスにはX線や素粒子などが含まれ、地球に到達すると地磁気などを乱して通信に障害を及ぼしたりします。
80年に1度の現象。新星爆発が近づくかんむり座T
太陽のような恒星は終わりを迎えると白色矮星となりますが、その伴星からガスが流入しエネルギーが供給されると、核融合爆発を起こすとされています。このような新星爆発は通常数千年から数万年間隔で起こるものですが、星の条件によっては数十年間隔で爆発するものもあります。アルクトゥールスの東に位置するかんむり座Tでは、新星爆発の兆候が見られており、2024年2月から9月の間で観測ができるのではないかと言われています。これは1946年以来、約80年ぶりとなります。かんむり座Tは10等級前後の天体ですが、新星爆発が起きた場合は極大期で2等級まで明るくなるとされていますので、肉眼でもよく観測できるほどの明るさになります。
(参考: AstroArts )
5月の星空情報
星空観測予定
5月上旬…北斗七星(ミザール・アルコル)、アルクトゥールス、スピカ
5月下旬…月、北斗七星(ミザール・アルコル)、アルクトゥールス、スピカ
星空トピックス
5月1日(水)下弦
5月4日(土)細い月と土星が接近
5月8日(水)新月
5月15日(水)上弦
5月18日(土)金星と天王星が最接近
5月23日(木)金星と木星が最接近・満月(フラワームーン)
5月31日(金)月が土星に最接近
長門の日の入り時刻は18:58~19:20でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
※臨時メンテナンス実施日は天体ドームが休館となります。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。