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【11月の天体ドーム】静かな秋の夜空から、輝きに満ちた冬の空へ。プレアデス星団やカペラなど綺羅びやかな星の世界を覗いてみませんか?

季節の変わり目。すこしずつ冬の星が空を賑わせはじめています。

こんばんは。大谷山荘・天体ドームです。2020年11月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

秋の星座にただ一つしかない一等星。冬に瞬く星団や恒星が姿を現します。

夜の寒さが深まり、山間にのぞく夜空にも凛とした空気が広がるようになって参りました。月がひときわ美しく見えた先月の夜空。他の季節に比べてやや空が暗い印象があったのは、秋の星座には光の強い星が少ないからでした。
11月は季節の変わり目。ちょうど秋の天体と冬の天体が入れ替わる時期です。先月から楽しませてくれている火星も、引き続きご覧いただけますが、南の空には、フォーマルハウトという秋の星座で唯一の一等星も見えます。みなみのうお座にあるこの星は、「秋のひとつ星」と呼ばれており、肉眼でも見つけやすい星です。
また、東の空からは、冬の星たちが昇り始めています。牡牛座にはプレアデス星団。和名で「すばる」と呼ばれており、平安時代には清少納言にもうたわれるほど古くから親しまれています。若い星が集まった散開星団で、超高温星の青白い光をしています。視力の良い方は直接見上げても6~7つの星の集まりをご覧いただけますが、望遠鏡で覗くと、見える星の数は数十個にも及び、きらきら輝く星の世界をすぐ近くに感じて頂けます。
また、美しさで人気の高いペルセウス座二重星団も合わせてご覧いただけます。冬の星座では、ぎょしゃ座のカペラに注目です。冬のダイヤモンド(冬の大六角形)を形成する恒星の一つで、肉眼では黄白色に見えており、太陽とほぼ同じ色の光を放っています。これは、太陽も太陽系外から見るとカペラと同じように見えているということです。夜空に輝くカペラを通して、宇宙から見た太陽、宇宙からみた地球を思い浮かべてみてはいかがでしょうか?

今月も、好機を迎える流星群がございます。母彗星をテンペル・タットル彗星に持つ、しし座流星群は、11月4日~25日の夜半~明け方までご覧いただけ、極大予想は11月17日20時頃です。月あかりの影響もなく良い条件になっております。
※流星は瞬時に流れていく為、天体ドーム内でのご案内・望遠鏡での観測は致しておりません。ご興味がございましたら、空を見上げてみてくださいませ。流れる場所は夜空全体でございますので、双眼鏡か肉眼で、全体をよく見渡しながら見つけることをお勧めいたします。

流星群の話を見る

11月の星にまつわる話

ぎょしゃ座のカペラは、実は4つの星が集まってひとつの光に見える恒星。

五角形に恒星が並ぶぎょしゃ座の中で最も強く輝く「カペラ」は、ラテン語で小さな雌ヤギという意味で、ぎょしゃ座の星座絵にはヤギを抱く老人の姿が描かれています。カペラは肉眼では一つの星に見えますが、実は2つの連星が2組ある4重連星です。連星とは、2つの星が同じ重心を持って互いに公転しあっているようにまわるものです。珍しい現象のようにみえますが、連星は恒星の半数以上を占めるほど頻度が高いといわれています。今は単独の星である太陽も、昔は連星だった可能性があるとの説(参照:Science Portal)もでてきており、夢が広がります。カペラは地球から42.92光年の距離にあり、全天で6番目に明るい星です。11月~4月の夕方早い時間帯頃までご覧いただけます。

散開星団と球状星団って?

今回のプレアデス星団や、ペルセウス二重星団は、散開星団の代表として知られています。散開星団は、数百ほどの星が不規則に集まっている星団で、生まれて間もない高温の星が多いです。もともとは一箇所で生まれた星々でひとまとまりになっていますが、時間が経つにつればらばらになっていくと考えられています。プレアデス星団は、燃焼が激しい為寿命が短く、あと1000万年程で消滅すると予想されています。
一方、球状星団は、丸く球状に集まっている星団で、数十万もの星が集まってできています。太陽より質量が小さい星や、寿命の長い赤い星が多く、太陽が属する銀河系形成の初期に生まれた古い天体が主になっています。
(参照:散開星団について 宇宙情報センター)

11月の星空観測情報

星空観測スケジュール(予定)

11月1日(日)~4日(水) 月、火星、ペルセウス座二十星団、プレアデス星団(すばる)
11月5日(木)~19日(木) 火星、ペルセウス座二十星団、プレアデス星団(すばる)
11月20日(金)~30日(月) 月、火星、ペルセウス座二十星団、プレアデス星団(すばる)

11月の星空トピック

11月1日(日) …天王星がおひつじ座で衝(太陽・地球・天王星が一直線に並ぶ現象)
11月12日(木) …おうし座北流星群が極大
11月17日(火) …しし座流星群が極大
11月25日(水)~26日(木) …月が火星に接近
11月30日(月) …半影月食

長門の日の入り時刻は17:20頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ

~天体ドームからのお願い~

これから季節は冬へと向かい寒さが厳しくなってまいります。天体ドームでは例年半纏をご用意してお客様をお迎えしていましたが、本年は新型コロナウイルス感染防止の観点からご用意することができません。ドーム内は屋根が開いているため気温が外と同じで大変寒くなります。天体ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。

  

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
ご利用方法…先着予約制 ※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。