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【11月の天体ドーム】ペルセウス座二重星団や惑星が観測好機。望遠鏡からは神秘に満ちた夜空が広がります。

星団の輝きや惑星の模様など、望遠鏡だから観測できる美しさに出会ってみませんか?

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2022年11月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

東の空からはゆっくりと冬の星々が姿を現し、澄んだ夜空に早くも季節の変わり目を感じられます。天体ドームでは、秋の星団であるペルセウス座二重星団に加え、冬を代表するおうし座のプレアデス星団(すばる)も観測できるようになりました。2つの散開星団が接近して見えるペルセウス座二重星団も、六連星として日本でも親しまれてきたプレアデス星団も、つぶさに眺めたくなる美しい星団です。また、強い輝きを放つ惑星では、土星や木星、中旬以降は火星が観測好機を迎えます。さらに、天王星も11月9日におひつじ座で衝を迎える予定です。天王星は太陽からの平均距離が土星の約2倍と遠く離れている為暗い星ですが、条件が良ければ、その青い光を観測できるかもしれません。また、天体ドームではお休みの為ご覧いただけませんが、11月8日には皆既月食が起こります。今回は日本全国で観測でき条件も良い為、期待されている方も多いのではないでしょうか。さらに月食の最中に月が天王星を隠す「天王星食」が見られますが、月食と天王星食が同時に起こることは非常に珍しく、次回は2106年の部分月食で、皆既月食と同時となると2235年まで待たなければなりません。ちなみに惑星食でも前回は1580年7月の土星食。まさに一生に一度のチャンスになりそうです。月に惑星、星団と、見どころの多い今月、きらめきと神秘に満ちた夜空を見上げてみてくださいませ。

11月の天体にまつわる話

ペルセウス座二重星団の見つけ方

ペルセウス座といえば夏に極大を迎える流星群の名前でも知られ、γ星付近がその放射点になっていますが、ペルセウス座自体は秋の星座です。二重星団は腕をあげる人のような形をしたペルセウス座とWの形をしたカシオペア座の間でぼんやりと光っています。ペルセウス座の周りには、1等星のぎょしゃ座のカペラや、プレアデス星団を有するおうし座がありますので、周囲の星座から探してみるのも良いかもしれません。望遠鏡で拡大してみると、その美しい星々が視界いっぱに広がり、肉眼では見ることのできない世界をお愉しみいただけます。

なぜ皆既月食は起こるのでしょう?

今回の月食は18:09~21:49に起こり、皆既月食は19:17~20:42で約85分と長時間ご覧いただけます。皆既月食は、太陽に照らされてできた地球の影に月が完全に入り込んでしまう現象です。太陽と地球と月が一直線にならぶ時に起こるので必ず満月になっています。月は5度ほど地球の公転軌道に対して傾いていますが、このずれが小さくなった時に月食が起こります。影の中に入ると月が見えなくなってしまいそうですが、実際には赤い波長の光だけが月に届き、赤銅色に見えます。皆既月食中は月あかりが弱くなる為、プレアデス星団などの星々もよく見えるようになります。また、今回は天王星食も起こり、惑星全体で見ても皆既月食中に見られるのは大変珍しいです。

※皆既月食の様子は、天候条件が整えば大谷山荘Instagramで更新予定です。

皆既月食についてはアストロアーツ社HPの記述が参考になります。

天王星ってどんな星?

肉眼では見えにくい天王星ですが、太陽系では木星、土星についで3番目に直径が大きい巨大氷惑星です。太陽からの距離は約29億kmと遠くはなれている為に表面温度は-200℃以下と超低温、大気にはメタンを含んでいる為青色に見えます。また、自転軸は公転面に対して約98度傾いており、横倒しの状態で回転してていて1周するのに約84年かかります。ほとんどの地域が極圏に起こるような白夜や極夜の状態になってしまう、地球では想像もできないような環境です。

11月の星空情報

星空観測予定

11月1日(火)~11月10日(木)・・・月、土星、木星、ペルセウス座二重星団、M45プレアデス星団(すばる)
11月11日(金)~11月20日(日)・・・土星、木星、火星、ペルセウス座二重星団、M45プレアデス星団(すばる)
11月21日(月)~11月30日(水)・・・木星、火星、ペルセウス座二重星団、M45プレアデス星団(すばる)

星空トピックス

11月1日(火)・・・上弦・月面Xが見える
11月3日(木)・・・文化の日
11月5日(土)・・・月と木星が並ぶ
11月7日(月)・・・立冬
11月8日(火)・・・満月(ビーバームーン)皆既月食・天王星食
11月9日(水)・・・天王星がおひつじ座で衝(太陽・地球・天王星が一直線に並ぶ現象)
11月11日(金)・・・月と火星が大接近
11月13日(日)・・・おうし座北流星群が極大
11月16日(水)・・・下弦
11月18日(金)・・・しし座流星群が極大
11月22日(火)・・・小雪
11月23日(水)・・・勤労感謝の日
11月24日(木)・・・新月
11月29日(火)・・・月と土星が接近
11月30日(水)・・・上弦

長門の日の入り時刻は17:22~17:05でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)

–天体ドームからのお願い–

これから季節は冬へと向かい寒さが厳しくなってまいります。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり大変寒いです。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。またドリンク等のドーム内への持ち込みはご遠慮くださいますようお願いします。

11月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。