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【10月の天体ドーム】地球の影によって月の一部が隠される「部分月食」や、日本古来から言い伝えのある十三夜。秋のお月見をお愉しみくださいませ。

約1年ぶりに起こる月食や、「栗名月」や「豆名月」と呼ばれる十三夜に注目です。

今月の満月(ハンターズムーン)は「部分月食」が起こります。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2023年10月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

秋も深まり、夜長の時季となりました。今月は29日午前5時24分に満月を迎えますが、同日未明から明け方にかけて月の一部が地球の影に隠される「部分月食」が起こります。月食が始まるのは4時34分頃、最も欠けるのは5時14分頃で、ほぼ日本全国で見ることができます。今回の部分月食は、月の直径約12パーセントまでしか地球の影に入り込まずあまり大きくは欠けません。しかし、昨年11月8日に起こった皆既月食以来の約1年ぶりで、次に日本で月食を見られるのは2025年ですので、今回の月食は見逃せません。 また、10月に迎える満月は「ハンターズムーン」と呼ばれております。ハンターズムーンという名称はアメリカの先住民の風習から来ており、鹿や狐等が肥えて狩りをするのに最適の時期であることから、そのように名付けられたと言われております。こちらの月の名を思い出しながら、眺めていただくのもおすすめです。

10月の天体にまつわる話

十三夜ってなに?

先月中秋の名月(十五夜)を迎えた夜は、長門市が天候に恵まれた為、美しい満月を鑑賞できました。
同じく満月をご覧いただけた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
秋の季節には十五夜ともうひとつ「十三夜」と呼ばれる日があります。「十三夜」とは旧暦の毎月13日の夜を指しますが、特に旧暦の9月13日の月のことを言い、本年は10月27日(金)に迎えます。十五夜が中国から伝わった行事であるのに対し、十三夜は日本独自の風習です。十五夜は美味しい月見団子を食べながら月を鑑賞しますが、十三夜は栗や豆なども一緒にお供えするため、別名「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。また、十三夜のお月見の始まりは諸説がありますが、第59代天皇の宇多天皇が、旧暦9月13日の月を「今夜の名月は並ぶものがないほど優れている」と称賛していたため十三夜を愛でるようになったとされる説や、宇多天皇の息子である第60代天皇の醍醐天皇が十三夜の夜に観月の宴を行っていたことにより、秋の13日目の月を愛でる風習があったのではないかと言われている説があります。綺麗な丸の形をした満月は新月から数えて15日目に迎えますので、13日目の月は完全な満月の姿ではございません。しかし、昔の日本の人々は十五夜のような綺麗な円の形をした満月よりも、十三夜に迎える少し満たない月に風情や趣を感じ、宴を催していたのかもしれません。
十五夜もしくは十三夜のどちらか一方だけのお月見だと「片見月(または片月見)」と言われ、縁起が悪いこととされていますので、中秋の名月(十五夜)をご覧になった方は、十三夜もぜひご鑑賞くださいませ。

2023年9月29日の中秋の名月(十五夜)

中秋の名月の日に撮影した当館ロビーの様子

オリオン座流星群はいつ見られる?

10月の天体の定番、オリオン座流星群をご観測いただける時季となりました。本年は、10月22日の午前9時ごろに極大となるといわれております。その為、21日の深夜から22日の明け方にかけて見ごろを迎えると予測されています。活動規模が大きい流星群ではありませんが、空のあちらこちらに流れるので、なるべく広く空を見渡せる場所でご観測いただくことをおすすめいたします。周りに建物が少ない海や山等、街明かりの少ない自然豊かな場所で防寒対策をされた上でお愉しみくださいませ。

10月の星空情報

星空観測予定

10月1日(日)~10月21日(土)・・・土星
10月22日(日)~10月31日(火)・・・月、土星、木星

星空トピックス

10月6日(金)下弦
10月11日(水)未明~明け方に細い月と金星が並ぶ
10月15日(日)新月
10月22日(日)上弦、オリオン座流星群が極大
10月24日(火)夕方~翌未明に月と土星が接近
      金星が西方最大離角
10月27日(金)十三夜(後の月)
10月29日(日)満月(ハンターズムーン)
      夕方~翌未明に月と木星が接近

長門の日の入り時刻は17:25~18:01でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

あたりが暗くなる時間帯が早くなり、夜空の星を見つけやすい季節になって参りました。
朝夕は肌寒くなってきておりますので、温かいお支度で天体ドームまでお越しくださいませ。

10月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。