- 天体ドーム
- 2024/10/08
【10月の天体ドーム】十三夜の後は本年最大の満月。土星や星団も観測好機を迎えます。
今月の満月はスーパームーン。十三夜や惑星の接近など、月にまつわる現象に注目です。
本年最大の満月や土星に星団、肉眼でも見える身近な天体を望遠鏡から覗いてみませんか?
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年10月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
十五夜の中秋の名月の次に美しいとされてきた十三夜を、今月15日に迎えます。後の月と呼ばれ、その時収穫期を迎える栗などを供えたことから栗名月の別名があります。後の月は、新月から数えて13日目となる為、満ちる前の月となり、不完全さに趣きを感じる日本らしい風習です。その後迎える今月の満月は、スーパームーン。月と地球の距離が近くなり、1年の中で最も大きく見える本年最大の満月です。
また、十三夜の前日である14日の夕方~翌未明には月と土星の接近が起こります。土星の輪は年々傾いており、今年は大分細長くなっています。輪が見えにくくなる一方で輪に隠れていた部分まで観測できるようになる良さもございます。今月は観測好機ですので、その姿をしっかりと御覧くださいませ。他にも、ペルセウス座とカシオペア座の中間あたりにある散開星団のペルセウス座二重星団や、下旬からはおうし座のプレアデス星団(すばる)も観測いただけるようになります。ぜひこの機会に望遠鏡を眺めていただき、星の世界を手の届きそうなほど近くに感じてみてはいかがでしょうか?
10月の天体にまつわる話
スーパームーンと地球の距離
月の軌道は楕円形をしており、地球や太陽の重力の影響でその軌道も変化している為、同じ月齢の満月でもその距離は常に一定ではありません。地球に最も近づく日が満月のこともあれば、近くも遠くもない日に満月の周期が訪れることもあります。そのなかで今年最も地球に近い満月を迎えるのが10月17日、地心距離は約35万7,400kmになります。今年最も遠い満月は地心距離が約40万6,000kmでしたので5万㎞近い差があり、視直径は約14%も異なります。スーパームーンは定義が曖昧ですが、アメリカでは「距離36万km以内の満月」などの場合に呼ぶと言われています。十三夜にスーパームーンと、続く月の姿をお楽しみくださいませ。
※参考:国立天文台 ほしぞら情報
2つの流星群が極大
今月は2つの流星群が見頃を迎えます。10月8日の宵から深夜に見られるりゅう座流星群(ジャコビニ流星群)は、月明かりの影響も少なく観測いただきやすい条件になっています。元々多くの流星が流れる流星群ではないのですが、今年は活動が活発化する周期にあたり、例年よりは期待ができそうです。また、10月21日深夜から22日明け方には、オリオン座流星群が見頃を迎えます。17日に満月を迎える為、月明かりの影響で流星を見つけづらい条件ではありますが、1時間あたり5~10個程度観測できるとされています。
10月の星空情報
星空観測予定
10月1日(火)~10日(木)・・・・土星、フォーマルハウト、ペルセウス座二重星団
10月11日(金)~19日(土)・・・・月、土星、フォーマルハウト、ペルセウス座二重星団
10月20日(日)~10月31日(木)・・・・土星、ペルセウス座二重星団、プレアデス星団(すばる)
星空トピックス
10月3日(木)新月
10月8日(火)寒露、10月りゅう座流星群が極大
10月11日(金)上弦
10月14日(月)夕方~翌未明に月と土星が接近
10月15日(火)十三夜(後の月)
10月17日(木)満月(ハンターズムーン/本年最大の満月、スーパームーン)
10月21日(月)オリオン座流星群が極大
10月23日(水)霜降
10月24日(木)下弦
長門の日の入り時刻は17:24~18:00でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
日没が早くなり星空を長く楽しめるようになってまいりましたが、寒暖差が激しくなる時期でございます。夜風もひんやりとしてまいりましたので、お体にさわられませぬよう、あたたかなお召し物で天体ドームまでお越しくださいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日(他、臨時メンテナンスも設けております。)
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。