1. TOP
  2. 大谷山荘だより
  3. 【10月の天体ドーム】遅めの中秋の名月と共演する土星など、趣き深い秋夜をお愉しみくださいませ。

【10月の天体ドーム】遅めの中秋の名月と共演する土星など、趣き深い秋夜をお愉しみくださいませ。

2025年は10月6日が中秋の名月。観測シーズンを迎える土星も見どころです。

満月には早い中秋の名月に、環の消失を経て観望を迎える土星。ぜひ望遠鏡からご覧くださいませ。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2025年10月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

旧暦8月15日の月とされる「中秋の名月」。今年は10月6日と、5年ぶりに少し遅めの10月に迎えることとなりました。月齢は14.3日で、日付の上では満月の1日前ではありますが、見た目はほぼ満月です。秋は月を見上げるのにちょうど良い高度に上がるようになり、湿度や霞による影響もなく天候が良いことから、月の美しさを楽しむのに良い季節とされています。まちあかりの遠い山間の長門湯本でゆっくりとお月見をお愉しみくださいませ。また、今月も環の細い土星をご覧いただけます。環の消失が起こった今年の2025年春は、地球との位置関係により観測が難しくなっておりましたが、先月ごろからその姿をご覧いただけるようになりました。特徴的な環がほとんど見えない珍しい土星を、ぜひ望遠鏡からお愉しみいただけますと幸いでございます。さらに、6日の日中には月と最接近する為、中秋の名月と土星のコラボレーションも見どころです。

10月の天体にまつわる話

秋はお月見の季節。満月でなくとも親しまれる月の呼び名について。

新月から数えて15日目である十五夜は、ほぼ満月を眺められるとして、特に十五夜の月見は中秋の名月として、鑑賞されてきました。しかしながら、まだ欠けていることの奥ゆかしさを愉しむ十三夜の月見があるように、日本では古くから十五夜以外の月にも名が付けられています。十五夜の前日は、満月への期待を寄せた「小望月(こもちづき」、ためらいながら出てくる十六日の月「十六夜月(いざよいづき)」、立ちながら待っているうちに月がでる十七日目の月「立待月(たちまちづき)」。名を知っているだけで満月以外も特別な月であるように感じられそうです。

10月21日は彗星に流星群と天体ショーが満載。

今年1月にアメリカアリゾナ州のレモン山天文台で発見されたレモン彗星が明るさを増しており、10月中旬ごろには北斗七星に接近します。最も明るく輝くのは地球と最接近する10月21日前後。4.5等級まで明るくなるとされ、その緑色の光を観測できます。また、同日10月21日には、オリオン座流星群が21時頃極大を迎えます。1時間に最大20個の流星の出現が見込まれており、流星群もお愉しみの一つになりそうです。奇しくも新月とも重なっていますので、月あかりの影響もなく条件も良好です。レモン彗星が次に太陽系に戻るのは1000年以上先ですので、一生の一度の光景となるでしょう。長門からは地平線が見える場所からの観測が必要になり、観測可能時間帯は18:00過ぎ頃となるため、あいにく天体ドームからはご覧いただけません。観測の際は高性能の双眼鏡をご利用くださいませ。

10月の星空情報

星空観測予定

10月上旬…月、土星、フォーマルハウト、プレアデス星団(すばる)
10月中旬…土星、フォーマルハウト、プレアデス星団(すばる)
10月下旬…土星、フォーマルハウト、プレアデス星団(すばる)

星空トピックス

10月6日(月)中秋の名月(十五夜)
10月7日(火)満月(ハンターズムーン/ハーベストムーン)
10月8日(水)寒露
10月14日(火)下弦
10月21日(火)新月、レモン彗星が地球と最接近、オリオン座流星群が極大
10月23日(木)霜降
10月30日(木)上弦

山口県の日の入り時刻は17:22~17:59でございます。 日ごとの日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)

彼岸を終えてからは秋の涼しさが増し、日中も過ごしやすい日が出て参りました。天体ドームは屋外でございますので、夜風でお体を冷やされませぬよう、あたたかなお召し物でお過ごしくださいませ。

10月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。