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【9月の天体ドーム】年に1度のチャンス!長周期変光星ミラの観測。人気の惑星「木星」「土星」も見頃です。

今月極大を迎える長周期変光星ミラと、夏から秋に輝く二大惑星。望遠鏡ならではの観測をお楽しみくださいませ。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2020年9月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

ラテン語で「不思議な」という意味をもつ、くじら座のミラ。肉眼でも見える惑星も観測好機。

今月の見どころは、くじら座の長周期変光星ミラ。変光星とは、周期的に星が明るくなったり暗くなったりする星のことです。最も暗い時には、望遠鏡でも観測が難しくなる10等級、最も明るくなる極大の頃には、肉眼でも見つけられるほどの明るさの2等星にまで変化します。くじら座の長周期変光星ミラは、332日周期で明るさが変化し、9月下旬頃、急激に明るさを増して極大を迎えます。年に1度のチャンスでございますので、是非望遠鏡でしっかりとご覧くださいませ。
そして、7月中旬頃から見頃を迎え、夏を楽しませておりました「木星」と「土星」も、今月はご覧いただけます。「木星」は、太陽系の惑星の中で最も質量が大きく、まちなかでも見えるほど明るい星です。9月25日には、南から南西の空で上弦過ぎの半月と接近しますので、より見つけやすくなります。望遠鏡で覗くと、木星の特徴である縞模様を観測できます。「土星」は、木星に次いで2番目に大きな惑星で、円盤状の環をご覧いただけます。

9月の星にまつわる話

土星の環が見えなくなる年がある?!

土星の特徴である環の見え方は、実は年によって異なります。それは土星の環が、地球が太陽の周りを回るときの軌道面から約26度傾いている為、地球からどの位置にあるかで観察する角度が変わるからです。環は、幾つもの細い輪が集まったもので、大部分は氷でできており、厚みは、最近の研究によるとわずか数10mしかないとの報告もあります。
土星が地球から見てちょうど真横から観測する時期になった時、あまりに薄い土星の環は目立たなくなってしまいます。この現象は土星が太陽を半周する毎に起こる為、15年に1度、環が見えなくなる年が生じます。近年では2009年に水平になり、次回消失が起こるのは、2025年になる予定です。美しい環がある土星を観測できるのは、貴重なことのように感じますね。
(参考:国立天文台 「土星の環の消失現象」の解説)

9月~11月のおすすめプランを見る

9月の星空観測情報

星空観測スケジュール(予定)

9月1日(火)~2日(水) 月、木星、土星
9月3日(木)~22日(火) 木星、土星
9月23日(水)~30日(水) 月、木星、土星

9月の星空トピック

9月2日(水)・・・満月
9月7日(月)・・・白露
9月10日(木)・・・下弦の月
9月17日(木)・・・新月
9月22日(火)・・・秋分の日
9月24日(木)・・・上弦の月
9月25日(金)・・・月と木星が接近

 

9月の天文現象カレンダー
(アストロアーツ社HPより)

長門の9月初旬の日の入り時刻は18:40頃でございます。秋の夜を賑わせる虫の音を聴きながら、ゆっくりと山間の星空をご覧くださいませ。お待ちいたしております。
 山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
ご利用方法…先着予約制 ※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。