- 天体ドーム
- 2019/03/09
【3月の天体ドーム】夜空にひときわ輝く冬の恒星「シリウス」や散開星団「すばる」を観測しませんか?
冬の星座「シリウス」や「すばる(プレアデス星団)を観測できる最後の月です
「枕草子」にも登場。白いダイヤモンドのように輝く「すばる」
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年3月にご覧いただける、長門の星空情報をご案内いたします。 3月は、天体の世界にも冬から春へと季節が移りかわります。 まずは「シリウス」。南東の空を見上げると、ひときわ明るく輝いている恒星です。冬の大三角形(ベテルギウス、シリウス、プロキシオン)を形成する星のひとつで、地球からの距離は8.6光年。 比較的地球に近い距離にございます。そのため、星本来の明るさとしては一番ではございませんが、恒星の中でも一番明るい星として、マイナス1.5等星となっております。 続いて、「プレアデス星団」(代表的な散開星団)。日本では「すばる」、海外では「セブンシスターズ」とも呼ばれております。 おうし座の肩の先に群れる星団で、距離は408光年。その中でも特に明るい6~7つの星は肉眼でも観測いただけますが、望遠鏡で覗いてみると、100個以上の星の群生をご覧いただけます。 その様子はまるで「白いダイヤモンド」のように壮観です。実は、6000万年前に誕生した恒星の中でも比較的若い星たちですが、
「激しい燃焼のため寿命は短く、あと1000万年ほどで、超新星爆発を起こして消滅するのではないかといわれておます。」 (引用:宇宙情報センターの公式サイト)。
かつて、「枕草子」のものづくしのなかで、清少納言が美しいと思う星のトップに選んだ「すばる」。天体ドームへお越しの際は、ぜひ「いくつの星が見えるか」数えてみてくださいませ。 また、3月の終わり頃には、春の星座が現れてまいります。北斗七星やしし座、うしかい座のアルクトゥルスと、一度は聞いたことのある馴染みのある星座。ご覧いただける場合は、一緒にご案内してまいります。 (画像は大谷山荘天体ドームで撮影:上:すばる、下:アルクトゥルス)
星とギリシア神話:プレアデス星団編(セブン・シスターズ)
プレアデス星団は、その美しい輝きから、古来より多くの神話が生まれました。今日はその中のひとつをご紹介させていただきます。 プレアデスは、巨神アトラスと水のニンフ・プレイオネの間に生まれた7姉妹(マイア、エレクトラ、タイゲタ、アルキオネ、ケラエノ、アステローペ、メローペ)。 月の女神アルテミスに仕え、森に住んでいた姉妹たちを、オリオンが追い回すようになりました。アルテミスは、彼女らを鳩に変えて空に逃し、その後、星になりました。 オリオン座は、7姉妹のプレアデス星団を追いかけているような位置にみえます。プレアデス星団を見つけるときにお役立てください。
3月の観測予定
- ~3月22(金) プレアデス星団(すばる)、シリウス
- 3月23(土)~31(日) プレアデス星団(すばる)又はシリウス
- ※3月の終わり頃には、春の星座(北斗七星、しし座、うしかい座のアルクトゥルスがご覧頂けるようになります。
天体ドームご予約方法
詳細情報
- 開館時間…19:30~22:10
- 休館日…毎週火曜日
- 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
- 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
- ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)
観測スケジュール
- 19:30、19:50
- 20:10、20:30、20:50
- 21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館会長の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒