- 天体ドーム
- 2025/02/10
【2月の天体ドーム】オリオン大星雲やプレアデス星団など美しい星の世界を望遠鏡から覗いてみませんか?
冬の夜空に煌めくオリオン大星雲や、青白い星々が集まるプレアデス星団を観測します。
肉眼でも見つけられるほどの輝きを放つ星雲や星団。望遠鏡から眺めると一層美しい世界が広がります。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2025年2月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
立春を迎えたものの、夜空はまだ冬の天体が主役を飾っております。冬を代表するオリオン座は、リゲルやベテルギウスと、輝きの強い1等星を含む華やかな星座です。モチーフとなった勇者オリオンのベルト部分にある三ツ星の下にはさらに暗い小三ツ星があり、その真ん中の光は肉眼で見るとぼんやりと輝いてみえます。これは巨大なガスが集まった「オリオン大星雲」で、望遠鏡から覗いて見ると非常に美しく、翼を広げたような形をしています。また、おうし座の散開星団プレアデス星団(すばる)も、この季節が見頃の天体です。肉眼では6個ほどの星の光が見えますが、実際には数百もの星が集まっていると言われており、望遠鏡で観測するとより美しい姿をご覧いただけます。今月は、1月に最接近となった火星や、12月に衝を迎えた木星と、明るく輝く惑星も引き続きご覧いただけますので、賑やかな夜空になりそうです。肉眼で眺めた時の星の姿、望遠鏡から覗いてみた時の星の姿と、それぞれ見比べながら天体観測をお愉しみくださいませ。

2月の天体にまつわる話
オリオン大星雲のなかでは何が起こっている?
地球から約1300光年の距離にあるオリオン大星雲(M42)は、オリオン座に位置する大散光星雲です。ガスやチリの濃度が高く、特に密度の高い領域は星の元となり、やがて太陽のような恒星へと成長していきます。「星のゆりかご」とも呼ばれているとおり、そこでは今でも星の赤ちゃんが誕生し続けており、その光が周囲のガスに反射して美しい輝きを見せています。星がどのように成長していくのかについては未だ解明されておらず、オリオン大星雲は研究対象として注目されている天体です。
参考:国立天文台
プレアデス星団(すばる)の輝き
プレアデス星団は地球から約410光年とオリオン大星雲よりも近い距離にある散開星団です。約6000万年前に誕生した比較的若い恒星が、青白い光を放っています。明るい星で2~3等級ほどありますので、肉眼でも見つけられますが、双眼鏡や望遠鏡で観測すると、暗い星までもが見えるようになり視界いっぱいに数々の輝きが広がります。和名では「すばる」と呼ばれており、「集まる」や「ひとつになる」、「結ぶ」という意味を持つ「すばる(統ばる)」から名付けられたとされています。
2月の星空情報
星空観測予定
2月上旬・・・・木星、火星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
2月中旬・・・・月、木星、火星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
2月下旬・・・・木星、火星、ベテルギウス、シリウス、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)
星空トピックス
2月3日(月)立春
2月5日(水)上弦
2月6日(木)月とプレアデス星団が大接近
2月9日(月)月と火星が大接近
2月12日(水)満月(スノームーン)
2月21日(金)下弦
2月28日(金)新月
寒波が訪れ、長門湯本でも積雪が見られるようになりました。特に外では上着を着ていても長時間の滞在には注意が必要です。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり寒くなります。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。
天体ドームご予約方法

詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。