「夏の大三角形」を見つけるポイントは?南東の空に輝く3つの星・アルタイル(赤)、ベガ(青)、デネブ
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年8月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。(画像:大谷山荘・天体ドームの望遠鏡より過去に撮影したベガ)
「夏の大三角形」を見つけてみましょう
夏の夜空の代表する夏の大三角形。日本では七夕のお話と重ねられており、非常に認知度の高い星空です。織姫星のベガ、彦星のアルタイル、その間に流れる天の川にはデネブ。全てが一等星でできており、街中でも見つけやすい星たちです。しかしながら、実際に夜空を見上げてみると、思っていた以上に苦戦した…という経験はございませんか?それは、夏の大三角形が、思っていた以上に大きな三角形を描いているためです。夜空高くをぐるっと見渡すイメージで探してみてください。※余談ですが、8月13日前後は、ペルセウス座流星群の極大(流星がよく見られる時期)を迎えます。しかし、今年は満月と重なるため見えづらい状況ではございます。もし、見ることができたら素敵ですよね。夕涼みがてらお子様といっしょに夜空を見上げて、夏休みの思い出をおつくりくださいませ。
- まずは、空高くにひときわ白く輝く星「ベガ」を見つける。ベガは織姫星と言われております。
- 次に、ベガ(西側)と対面側(東側)に赤く輝く星「アルタイル」を見つける。こちらが彦星です。
- 最後に、ベガとアルタイルの中程にある、明るい星「デネブ」を見つける。
- 上記1~3の星はすべて一等星。この輝く3つの星を繋げると、夏の大三角形ができあがります。
月と土星と木星を一緒に観測。夏の夜空を賑やかに
先月に続き8月も、月は満ち欠けをしながら木星と土星に接近し、夏の大三角形とともに、賑やかな夜空を演出してくれます。これは、月が地球の周りを1ヵ月にいちどのサイクルで一周するためです。同じ月でもその年、その日によりご覧いただける光景が違うのも、星空観測の魅力のひとつです。また、土星と木星の観測好機は今月まででございます。土星の輪、木星の4つの衛生(ガリレオ衛生)をぜひ、天体ドームでご覧くださいませ。
「土星のはなし」を見る
「木星のはなし」を見る
8月の星にまつわる話~ペルセウス座流星群
ペルセウス座流星群もそのひとつ「三大流星群」
流れ星の中でも、毎年安定した時期に安定してご覧いただける3つの流星群のことを三大流星群と呼ばれます。中でもペルセウス座流星群は、8月に安定して訪れる流星。安定とはいえ、流星群が発生する仕組みを考えると、その偶然の不思議に驚かされます。夏休み中とも相まって、一度はみたい流星のひとつです。
ペルセウス流星群
- 出現期間:7月17日 – 8月24日頃
- 極大:8月13日(活動のピーク)
- 観測チャンス:真夜中~空が白くなりはじめるまで
- 特徴:夏の定番。今年も8月13日前後の夜が観望チャンス。通常は、光跡を鮮やかに残す流れ星ですが、今年は、満月と重なり(月明かりの影響で)あまり見えない。
ふたご座流星群
- 出現期間:12月4日 – 12月17日頃
- 極大:12月14日頃(活動のピーク)
- 観測チャンス:21:00頃~深夜2時頃
- 特徴:多くの流れ星が見られる流星群。安定した流れ星をご覧いただける。
しぶんぎ座流星群
- 出現期間:12月28日 – 1月4日頃
- 極大:1月4日頃(活動のピーク)
- 観測チャンス:真夜中~6時頃(空が白くなりはじめるまで)
- 特徴:極大日の前後は多くの流れ星をご覧いただけるが、その年により安定しない。
<参考資料>主な流星群の一覧(国立天文台:公式サイト)
流星群(流れ星)が発生するしくみ
流れ星は、宇宙空間にある「チリ」が大気に飛び込んだ時に生まれる気化成分による発光現象です。日本天文台の公式サイトによりますと、下記のように説明されております。
流星(「流れ星」とも言います)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象です。(参考:日本天文台公式サイト)
8月の星空情報
星空観測予定
- 8月1日(木)~5日(月)
木星、土星、ベガ、アルタイル
- 8月6日(火)~16日(金)
月、木星、土星、ベガ
- 8月17日(土)~31日(土)
木星、土星、ベガ、アルタイル
8月の星空トピック
- 8月01日(木)…新月
- 8月07日(水)…伝統的七夕
- 8月08日(木)…上弦の月
- 8月12日(月)…月と土星が大接近
- 8月13日(火)…ペルセウス座流星群が極大
- 8月15日(木)…満月
- 8月23日(金)…下弦の月
- 8月30日(金)…新月
長門の日の入り時刻は19:18頃でございます。秋分の日(9月23日)を境に、日暮れが早くなってまいります。夜空に輝く星をご覧になりたい場合は、観測時間19:50以降の回がおすすめでございます。星空を眺めて山間の静かな夜をお愉しみくださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)
天体ドームご予約方法
詳細情報
- 開館時間…19:30~22:10
- 休館日…毎週火曜日
- 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
- 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
- ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)
観測スケジュール
- 19:30、19:50
- 20:10、20:30、20:50
- 21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
天体ドームからの情報一覧へ
■よくある質問
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」
「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。