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【12月の天体ドーム】星空もクリスマスをお祝い!ふたご座流星群やオリオン大星雲など、冬の星空観察を愉しみませんか?

オリオン大星雲、ふたご座流星群、すばる。いくつ見えますか?肉眼でも楽しめる12月の星空情報

Orion Nebula2 こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年12月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。(画像:大谷山荘・天体ドームの望遠鏡より撮影したオリオン大星雲)

飛び立つ鳥のような姿のオリオン大星雲、流れる星に願いを込めたふたご座流星群!凛とした煌きが夜空を彩る冬。

Orion Nebula 12月は冬の星座がラインナップ。東の空を見上げると、おうし座、オリオン座、ふたご座、そしてプレアデス星団が観測いただけるようになりました。特に注目なのが、ふたご座流星群。12月15日(日)に流星のピークとなり(極大)、14~15日にかけて観察するチャンスと言われております。しかしながら、今年は満月のすぐ後の下弦の月あかりにより、見えづらい状況が予想されております。とはいえ、凛とした星空に出現する流れ星はロマンチックな光景です。20時以降から出現がはじまり、21時以降が観測の好条件となりますので、願い事を用意して空を眺めてみてはいかがでしょうか?また、肉眼で見られる星座をご覧いただけるのも冬の夜空の特徴で、オリオン大星雲やプレアデス星団(すばる)などを見つけることができます。特に、南の空にすぐに目に留まるのがオリオン座の3つの星。さらにその下に並ぶ小さな三つ星の中に、オリオン大星雲がございます。鳥が飛んでいる形に見えるのが特徴です。そして、先月に続き、おうし座のプレアデス星団。散開星団と呼ばれる若い星たちの集団で、肉眼では6個、視力のよい方なら7個ほどの星をご覧いただけます。古代ギリシアでは、兵士の視力判定に利用されたとの言い伝えもございます。

プレアデス星団とは

プレアデス星団は、日本では「すばる」の名で有名なおうし座の散開星団。肉眼でも見つけることができ、冬の星座の代表格として親しまれております。特に青白い煌きが特徴で、若い高温の星の集団。約6000万年前に誕生、したと言われております。しかし、核融合の反応が早い分、星の寿命が短いと予測されており、1000万年ほどで超新星爆発を起こして消滅するのではないかと言われておりますPleiades

プレアデス星団の詳細を見る

12月の星にまつわる話~ふたご座流星群と部分日食

ふたご座流星群

ふたご座流星群とは、三大流星群のひとつで、毎年12月4~17日頃(極大は12月14日頃)、多くの流星群が見られます。ふたご座流星群はひと晩中夜空で見ることができる点が特徴で、中でも放射点の高い21時以降が観測の好条件となります。真上から降る流れ星を見たいなら、深夜2時頃、放射点が天頂となりタイミングがおすすめです。また、極大期に夜空の暗い場所で観測した場合、1時間あたり約45の流星を見ることができます。しかしながら、上記ご紹介のとおり、2019年のふたご座流星群は下弦前の月の明るさが左右し、観測条件はあまりよくないようです(好条件の場合:1時間に15~20前後)。いつもより温かな装いで、クリスマス直前、気長に夜空を眺めてみてはいかがでしょうか?
参照:国立天文台公式サイトのほしぞら情報:12月のトピック

12月26日は部分日食

日食とは、太陽と地球の間を月が横切ることで太陽の一部又は全部が隠される現象。部分日食(太陽の一部が隠される)、皆既日食(太陽の全てが隠される)、全環日食(月より大きく見える太陽ため、隠されなかった外側の部分がはみ出して見える)と3種類ございます。また、日食は通常、観測する場所や時間によっても異なります。12月26日の場合は、午後14時ごろから日本全国で部分日食が起こります。東日本や北日本では、日中帯食(にちにゅうたいしょく)となり、太陽がかけたままの状態で日の入りとなります。今回の部分日食の予報時刻をご案内致します(下記情報は、日食の始め⇒日食の最大⇒日食の終わり/日の入り時刻の順に表記)。
  • 那覇…14:02:18⇒15:27:34⇒16:40:22
  • 福岡…14:14:01⇒15:25:17⇒16:28:15
  • 京都…14:23:05⇒15:31:32⇒16:32:13
  • 東京…14:28:11⇒15:35:27⇒16:33:54/16:34
  • 仙台…14:30:01⇒15:33:18⇒16:22:09/16:22
  • 札幌…14:31:31⇒15:27:03⇒16:05:09/16:05
ご注意:日食グラスなど専用の観察器具を正しく使って、安全な方法で日食を観察してください。
参照:国立天文台公式サイトのほしぞら情報12月:部分日食

よくある質問~お客様の素朴な疑問にお答えいたします

星までの距離はどうやって測定するの?

観測する星により下記の測定方法がございます。
  • 近くの星までの距離:三角測量の原理を使って測定(年周視差の角度を測定)
  • 銀河系の中の最も遠いところにある星までの距離:星の本当の明るさと色の関係を使って推定
  • 銀河系の外にある他の銀河などの距離を推定:脈動変光星という星を使う(脈動変光星…定期的に膨らんだり縮んだりすることで明るさを変える星。周期が長いほど明るく、短いほど暗い)
  • 超新星があらわれた銀河の距離を推定する(超新星…星の一生の最期に大爆発を起こすこと)
  • 何十億光年以上離れた遠い天体:その銀河が遠ざかる速度を使う(遠ざかる物体から出る光の波長は長い法にずれる」という性質を使う)
国立天文台の公式サイトでは、図を用いての説明がございますので、ご参照くださいませ。
参照:国立天文台公式サイト「よくある質問」ページ:星までの距離測定について
 

宇宙の果ては、どうなっているの?

「宇宙の果て」という言葉から何をイメージされますか?多くの方が「その先には宇宙がなくなってしまう境目」をイメージされるかもしれません。それでは、実際にはどのような状況なのでしょうか?光行距離を使って考えてみましょう。 光の速さは秒速約30万キロメートル、宇宙は、138億年前に誕生したと考えられています。 例えば、宇宙が誕生して18億年後の120億光年彼方に見える天体を観測したとします。それは120億年前にその天体を出た光を今受け取ったということになり、見ているものは、120億年前の天体の姿となります。 では逆に、138億年より前の天体をみたい場合は何が言えるでしょうか? 138億年より前には宇宙は誕生しておりませんでしたので、何も見えるものがないことになります。 以上のことから「光行距離」で考えた場合、138億光年の距離が「宇宙の果て」ということができます。
参照:国立天文台の公式サイト「よくある質問」ページ:宇宙の果てとは?

 12月の星空情報

 星空観測スケジュール(予定)

  • 12月1日(日)~2日(月) プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、オリオン大星雲
  • 12月3日(火)~15日(日) 月、プレアデス星団(すばる)、オリオン大星雲
  • 12月16日(月)~31日(火) プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、オリオン大星雲

12月の星空トピック

  • 12月04日(水)…上弦の月
  • 12月12日(木)…満月
  • 12月15日(日)…ふたご座流星群が極大となる
  • 12月19日(木)…下弦の月
  • 12月22日(日)…冬至
  • 12月26日(木)…新月、部分日食
長門の日の入り時刻は17:06頃でございます。夜は気温が3℃前後と本格的な冬の到来を感じる季節となりました。当日は、厚手の上着をお召になり、凛とした夜空に広がる星たちの煌きをご体感くださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ

天体ドームご予約方法

 詳細情報

  • 開館時間…19:30~22:10
  • 休館日…毎週火曜日
  • 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
  • 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
  • ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)

 観測スケジュール

  • 19:30、19:50
  • 20:10、20:30、20:50
  • 21:10、21:30、21:50

 ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。