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【11月の天体ドーム】冬はなぜ、星空観測シーズンなの?明るい星が輝く冬の星座が東の空に登場

すばるで知られるプレアデス星団がお目見え。11月中旬は極大を迎えるくじら座ミラを探してみませんか?

Pleiades こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年11月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。(画像:大谷山荘・天体ドームの望遠鏡より撮影したプレアデス星団/すばる)

冬は肉眼でも見える星団や一等星が多く現れるシーズンです

11月に入り、東の空には早くも冬の星座たちが昇りはじめました。いよいよ星空観測シーズンの到来です。冬は一年の中でも星空が美しく広がる季節です。凛と空気が澄み渡り、空気中に粉塵が少なくなることも正解ですが、明るい一等星が多く、プレアデス星団やオリオン大星雲といった、星たちの集団が見られるなど、肉眼でも楽しみやすい環境も整います。今月の観測ポイントは、先月よりご覧頂いているペルセウス座二重星団とプレアデス星団(すばる)、そして11月中旬に極大を迎える予定のくじら座ミラです。特にくじら座ミラは、ラテン語で「ふしぎなもの」の意をもつ星。実は、脈動変光星といわれ、星自体の大きさが変わることにより明るさが変化する星です。11月の中旬頃に極大となる予定ですが、その名の通りいつどんな明るさで見られるのか?予測が難しい星です。期間中は、天体ドーム担当者と一緒に、ミラを探してみましょう。続いて、プレアデス星団。日本では「すばる」の名で親しまれている冬の星空の代表格です。地球との距離も比較的近くにあり(約408光年)、数十個の青白い星たちが集まる散開星団としても知られております。散開星団の青白い煌きは、非常に高温で輝いている証。その分、寿命も短く約1億年ほどといわれております。そのうちの6つの星は、肉眼でもみることができます。それらの星をつなぎ合わせると…見覚えのあるマークが浮かび上がりませんか?家路までの帰り道、ぜひ夜空を見上げてくださいませ。

散開星団とは?

星はガスとチリの集まりから、連続的に生まれております。 生まれた時は通常、集団を形成しております。 こうした若い星の集団を散開星団と呼びます。 (下記画像:散開星団のひとつ。ペルセウス二重星団~大谷山荘天体ドームにて撮影) Perseius2

ペルセウス座二重星団の詳細を見る

 

11月の星にまつわる話~脈動変光星・くじら座ミラとは?

11月中旬頃に極大を迎えるくじら座のミラ。ちょうど、くじら座の胸のあたりにあり、その時により明るさが大きく変わる星(変光星)です。通常、天体の明るさを表す尺度は等級で表現され、例えば、夏の夜空に輝くスピカ(おとめ座)は1等級です。それでは、くじら座のミラは何等級なのでしょうか?正解は、約332日周期で、2等級~10等級までの範囲で明るさ変化いたします。それでは、なぜ、変動するのでしょうか?実は、くじら座のミラは、星の生涯の終わりに近く、星自体が膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあるのです。そのため、星が膨張し温度が下がる=暗くなり(極小~10等級)、星が縮小し温度が上がる=明るくなる(極大~2等級)のです。このように星自体の容積が変わることで、星の明るさが変わることを「脈動変光星」といいます。さらに、くじら座ミラは、この周期や極大の時の明るさが一定しないため、観測予測が難しい変光星といわれております。「ミラ」とは、ラテン語で「不思議なもの」の意。予測では11月中旬とされておりますが、どんな明るさでいつ見られるのかはその時次第。寒くなり肩をすぼめがちなこの季節、不思議なものを探して、清澄な夜空を見上げてみてはいかがでしょうか?
※くじら座ミラの見つけ方~参照文献:国立天文台の公式サイト「ミラが極大」の図を参照
 

 11月の星空観測情報

 星空観測スケジュール(予定)

  • 11月1日(金)~2日(土) プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、くじら座ミラ
  • 11月3日(日)~15日(金) 月、プレアデス星団(すばる)、くじら座ミラ
  • 11月16日(土)~30日(土) プレアデス星団(すばる)、ペルセウス座二重星団、くじら座ミラ

11月の星空トピック

  • 11月04日(月)…上弦の月
  • 11月12日(火)…満月
  • 11月中旬………くじら座ミラが極大を迎えます
  • 11月20日(水)…下弦の月
  • 11月27日(水)…新月
長門の日の入り時刻は17:06頃でございます。夜は気温が10℃前後と、冬の訪れを感じるようになりました。当日は、厚手の上着をお召になり、凛とした空気に広がるクリアな星空をご体感くださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ

天体ドームご予約方法

 詳細情報

  • 開館時間…19:30~22:10
  • 休館日…毎週火曜日
  • 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
  • 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
  • ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)

 観測スケジュール

  • 19:30、19:50
  • 20:10、20:30、20:50
  • 21:10、21:30、21:50

 ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。