- 天体ドーム
- 2019/06/03
【6月の天体ドーム】太陽になったかも!?木星(ジュピター)を観測しませんか?
太陽と地球と木星が一直線!6月は地球に近づく木星(ジュピター)の観測好機です
6月は木星の観測好機。太陽と正反対に一直線にならぶ「衝」を迎えます
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年6月にご覧いただける長門の星空情報をご案内いたします。 6月は、木星の観測好機です。6月11日(火)には木星が太陽と地球と一直線にならぶ「衝」を迎えます。その後、6月16日(日)には、月と木星が大接近いたします。ちょうど、6月17日(月)は満月となりますので、月と木星を一緒に観測することができるかもしれません。また、6月下旬頃より、21:00頃から土星も現れます。6月の星空観測は、非常に興味深い天体模様でございます。梅雨の季節ではございますが、ぜひ、夜空を眺めてみてくださいませ。(画像:大谷山荘天体ドームで撮影した木星とガリレオ衛星)
「衝」とは?
地球からみた時、太陽系の惑星が、太陽と正反対の方向に一直線にならぶ瞬間のことを示します。太陽のまわりを回っているそれぞれの惑星の位置関係は、様々ですが、「衝」の位置関係になると、地球と一直線となるためその距離が一番近い状態になります。6月11日(火)、木星がへびつかい座で「衝」(太陽、地球、木星が一直線に並ぶ)となりますので、それ以降、早い時間帯からご覧いただけるようになります。6月の天体の様子
- 6月3日(月)…新月
- 6月10日(月)…上弦の月
- 6月11日(火)…木星がへびつかい座で衝
- 6月16日(日)…月と木星が大接近
- 6月17日(月)…満月
- 6月22日(土)…夏至
- 6月25日(火)…下弦の月
- 6月下旬ごろ…21:00頃より土星が現れます
6月の星にまつわる話~太陽になれなかった木星
太陽になれたかもしれない「木星」
木星は太陽(恒星)になることができたかもしれない惑星、と言われれおります。太陽と木星は、実はよく似た成分でできております(木星の成分:水素約90%にヘリウム約10%)。ではなぜ、木星は太陽になれなかったのでしょうか?太陽と木星の大きな違いは、星として輝いているか否かにあります。太陽は、核融合の反応により、熱と光がエネルギーとして放出され、明るく輝いております。一方で、木星は月と同じように太陽の光が反射され、輝いているように見えます。木星が星として輝くためには、太陽のように核融合反応が起きなければなりません。しかしながら、木星は質量が足りず核融合反応ができないのです。地球の質量の318倍もある木星ですが、太陽(恒星)になるためには、さらにこの80倍もの質量が必要になるわけです。この質量の違いが、太陽と木星の大きな違いでございます。もし、木星の質量が太陽に匹敵する質量があったならば、もうひとつの太陽をみられたかもしれません。木星の4つの衛星・ガリレオ衛星は木星(ジュピター)の恋人(ギリシア神話より)
木星は、太陽系の惑星の中で一番大きな惑星です。地球の周りを回る月のように、木星にも衛星がございます。その数はなんと50個以上。中でも、有名なのは木星の横に並んでいるガリレオ衛星。1610年ガリレオ・ガリレイ(イタリア。天体観測に望遠鏡を導入)により発見されました。ジュピターの名は、ローマ神話でゼウスと同じと思われる神・ユーピーテルのラテン語読みが語源となっております。ちなみに、4つのガリレオ衛星は、木星から近い順にイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストと名付けられております。実はこの名前は、ジュピター(ローマ神話の最高の神)の恋人たちの名前。望遠鏡で木星をご覧になる際には、木星によりそったガリレオ衛星も見つけてくださいませ。木星とガリレオ衛星の詳しい情報は「宇宙情報センター」の公式サイトがおすすめでございます。(参照:宇宙情報センターの公式サイトへ)
6月の星空観測予定
- 6月1日(土)~6日(木) ミザール、コル・カロリ、ベガ、木星 ※新月は6月3日(月)、木星は21:00以降
- 6月7日(金)~17日(月) 月、木星、ミザール、コル・カロリ、ベガ ※上弦の月は6月10日(月)、満月は6月17日(月)、木星は20:30以降
- 6月18日(火)~30日(日) 木星、ミザール、コル・カロリ、ベガ ※下弦の月は6月25日(火)、木星は20:00以降
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)。
天体ドームご予約方法
詳細情報
- 開館時間…19:30~22:10
- 休館日…毎週火曜日
- 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
- 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
- ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)
観測スケジュール
- 19:30、19:50
- 20:10、20:30、20:50
- 21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館会長の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。