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【4月の天体ドーム】春の大三角や春の大曲線、明るさが変わる変光星を観測してみませんか?

春の星座に、変光星のくじら座ミラ。4月の夜空から目が離せません。

美しく輝くスピカやアルクトゥールス、変わった形のしし座や北斗七星など春の天体観測をお愉しみくださいませ。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年4月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

やわらかな春風を肌に感じ、心華やぐ季節となりました。4月の夜空には西へ傾く冬の星座と、東の空から昇る春の星座があり、季節の変わり目を天体の世界においても感じていただけます。冬には「冬のダイヤモンド」や「冬の大三角」をご観測いただけましたが、春になると「春の大三角」と「春の大曲線」をご覧いただけるようになります。春の大三角は、しし座の「デネボラ」とおとめ座の「スピカ」、うしかい座の「アルクトゥールス」の3つの星を結んで出来ており、それぞれ色や明るさが異なります。しし座の2等星である「デネボラ」は、「獅子の尾」という意味があり、その名の通りしし座のしっぽ部分に位置している恒星で、白く輝きます。おとめ座の1等星である「スピカ」は青白く輝いており、全天21の1等星のひとつで、美しさのあまり日本では「真珠星」とも呼ばれています。うしかい座のアルクトゥールスは、オレンジ色に光る恒星で全天で4番目に明るい為、春の大三角をご観測いただく際には、まず、東の空に浮かぶアルクトゥールスを見つけていただくことをおすすめいたします。アルクトゥールスを見つけることが出来たら、少し目線を南に傾けると青白く輝くスピカがございます。アルクトゥールスとスピカを結び、三角形になるように西の方へ目線を移動すると、デネボラに辿りつきます。
春の大曲線は、北斗七星~からす座までのカーブを指しています。スプーンを伏せたような形をした北斗七星を通り、うしかい座のアルクトゥールス、おとめ座のスピカ、更に先に進むと台形に並ぶからす座がございます。春の大曲線を見つける際は、初めに特徴的な形をした北斗七星を探していただき、伏せたスプーンの取っ手部分から先へ移動していくと、先ほど春の大三角で見つけたアルクトゥールスとスピカに出会います。その後、そのまま南の方へ移動すると、春の大曲線の最終地点である台形のからす座まで辿りつけます。春の大三角と春の大曲線は、一度に観測できることが嬉しいポイントです。
過ごしやすい気候の夜は空を見上げ、空に浮かぶ春の天体を愉しんでみてはいかがでしょうか?

4月の天体にまつわる話

明るさが変化する星「変光星」とは?

夜空で輝いている星の中には、明るさが変化する星があることをご存知でしょうか?時間とともに明るさを変える恒星を「変光星」と呼んでおり、全天には5万個を超える変光星が発見されています。変光星は、様々な原因などによっていくつかのタイプに分けられています。変光星が明るさを変える原因を大きく分類すると3つあり、1つめは2個(もしくは数個)の連星が互いを隠し合うことにより明るさが変化する食変光星、2つめは恒星自身の大きさが変わることによって変光する脈動変光星、さらに3つめは、急激な光度変化を見せる爆発変光星がございます。それぞれの代表的な星は、食変光星がペルセウス座β星アルゴル、脈動変光星はくじら座ο星ミラ、爆発変光星は新星や超新星、かんむり座R型星などがございます。食変光星アルゴルは明るい星と暗い星からなる連星で、約3日という比較的短い周期で2.2等星~3.5等級まで明るさが変化します。脈動変光星は、恒星の中で巨星または超巨星に属する大きな星で、星全体の大気の周期的な脈動や、それに伴うスペクトル型の変化によって明るさが変わる星で、中でも脈動変光星ミラは約332日の周期で最大2.0等級~10.1等級まで明るさが変わる変光星です。爆発変光星は、星全体が爆発するものや、星の表面で爆発が起こるものなどがあります。爆発した際に急激に明るさを増すため、1572年には昼間でも観測できたといわれております。なお2024年4月18日には、脈動変光星の代表的な星であるくじら座ミラが極大となります。ぜひ、明るさが変わる珍しい星を観測してみてくださいませ。

4月の星空情報

星空観測予定

4月1日(月)~4月12日(金)・・・北斗七星(ミザール・アルコル)、レグルス、アルクトゥールス
4月13日(土)~4月24日(水)・・・月、北斗七星(ミザール・アルコル)、アルクトゥールス、スピカ
4月25日(木)~4月30日(火)・・・北斗七星(ミザール・アルコル)、アルクトゥールス、スピカ

星空トピックス

4月2日(火)下弦
4月9日(火)新月(北アメリカで皆既日食)
4月10日(水)夕方~宵、細い月とポン・ブルックス彗星が接近
4月16日(火)上弦
4月18日(木)くじら座ミラが極大
4月22日(月)4月こと座流星群が極大
4月24日(水)満月(ピンクムーン)

長門の日の入り時刻は18:37~19:00でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

日中はだんだん暖かくなってまいりましたが、夜はまだ冷えております。天体ドームへお越しの際は、上着の着用や靴でお越し頂くなど、各自で防寒対策をしていただきますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。
また、飲食物などのドーム内への持ち込みはご遠慮くださいますようお願いいたします。

4月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。