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【4月の天体ドーム】夜空を教える北斗七星。春の星々や星団を望遠鏡で観測します。

春の大曲線や春の大三角など、穏かな夜空に浮かぶ天体を北斗七星が教えてくれます。

北斗七星が示す春の天体や星団が見頃。人気の木星も引き続きご覧いただけます。

2025年4月4日撮影。13日には本年最小の満月を迎えます。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2025年4月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

音信川沿いに桜の花びらが舞い、夜桜に心奪われる春の夜。空にもすっかりと新しい季節の天体が現れております。春の夜空は明るい星が少なく、朧になりがちなこともあり、天体を見つけ出すのが難しい季節ではございますが、まずは北斗七星を見つけると、星の位置関係を把握しやすくなります。北斗七星は、おおぐま座の尾の部分で星座ではございませんが、そのひしゃく型の形が特徴的なため、比較的探しやすいです。年中ご覧いただけますが、なかでも天高くのぼる春から夏にかけてが見頃です。ひしゃくの柄の先からゆるやかに視線を移すと、うしかい座の1等星アルクトゥールスが見え、その先には乙女座のスピカが青白く輝いています。この連なりは「春の大曲線」と呼ばれます。また、アルクトゥールス、スピカを結んだ辺から三角形になる位置の頂点に、しし座の2等星デネボラがあり、これらは春の大三角と呼ばれ、この季節を代表する天体として知られています。また、今月の月は、8日にレグルスと大接近、12~13日にはスピカと接近しますので、ご参考にご覧くださいませ。他にも、かに座の散開星団・プレセペ星団や、木星も見頃を迎えております。ぜひ望遠鏡からその姿をご覧くださいませ。

4月の天体にまつわる話

北斗七星の二重星

北斗七星は7つ星で構成されており、真ん中のメグレズ(3等星)以外は2等星です。ひしゃく型の柄の先から2番目で輝くミザールをよく見るとそばにもう一つ別の星が見えます。これは4等星のアルコルで、視力が良ければ肉眼でも見分けることができます。ミザールとアルコルは二重星として知られていますが、この二つの星が互いに影響を及ぼしあう連星であるかは未だ解明されていません。また、ミザールは望遠鏡で観測するとそのそばにまた別の星があり、ミザールはミザールAとミザールBからなる連星であることが分かります。さらに分光観測を用いれば、それぞれが分光連星で、1つに見えていた星が実は6つの星でできていることが確認できるのです。「見えぬけれどもあるんだよ」と金子みすゞの詩とも通じる世界を、天体ドームから感じていただければ幸いでございます。

4月こと座流星群

4月14日から30日に流星が出現し、4月22日23時頃に極大を迎える予定です。流星数は少ないですが、明るい流星の割合が多いため、流れれば見つけやすそうです。流星群は地球が彗星の軌道に差し掛かる際に出現します。彗星が残していった塵の集団に地球が衝突すると、塵が気化し光を放つことで流星は起こるのです。今回の流星群の母天体は、太陽の周りを約400年の周期で公転するサッチャー彗星と言われています。
※流星は瞬時に流れていく為、天体ドーム内でのご案内・望遠鏡での観測は致しておりません。

4月の星空情報

星空観測予定

4月上旬・・・木星、月、北斗七星(ミザール・アルコル)、コル・カロリ(りょうけん座)、かに座プレセペ星団(M44)
4月中旬・・・木星、北斗七星(ミザール・アルコル)、コル・カロリ(りょうけん座)、かに座プレセペ星団(M44)、アルクトゥールス
4月下旬・・・北斗七星(ミザール・アルコル)、コル・カロリ(りょうけん座)、かに座プレセペ星団(M44)、アルクトゥールス

星空トピックス

4月5日(土)月と火星が接近、上弦
4月13日(日)満月(ピンクムーン/本年最小の満月)
4月21日(月)下弦
4月22日(火)4月こと座流星群が極大
4月25日(金)細い月と土星が接近、金星が並ぶ
4月28日(月)新月
4月30日(水)細い月と木星が並ぶ

山口県の日の入り時刻は18:35~18:57でございます。
日ごとの日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)

春は寒暖差の大きい季節。日中は日差しがあたたかく過ごしやすくなってきておりますが、夜はまだ肌寒さを感じる日がございます。天体ドームへお越しの際は、上着の着用や靴でお越し頂くなど、各自で防寒対策をしていただきますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。

4月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

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■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。