- 天体ドーム
- 2022/08/10
【8月の天体ドーム】天の川にかかる夏の大三角形。一等星の輝きを望遠鏡から覗いてみませんか?
ベガ、デネブ、アルタイル。色鮮やかな夏を代表する星々を観測いたします。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2022年8月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
虫の音ひびく夏の夜、ふと見上げると輝く星の正体が気になることはございませんか?今月は、夏を代表する星々や惑星をご紹介いたします。まずは夏の大三角形。青白い星「ベガ(こと座α星)」と、そのそばの天の川をまたいで輝く星「アルタイル(わし座α星)」、その中ほどで輝く「デネブ(はくちょう座α星)」は、それぞれを結ぶと、夜空に大きな三角形を描きます。いずれも一等星ですので、まちなかでも見つけやすい星々です。夏の大三角形の星は七夕と関係しており、ベガは織姫、アルタイルは彦星、デネブは天の川を渡すカササギの役割をもっています。七夕というと一般的には7月7日の行事ですが、伝統的七夕は旧暦で数え、今年の場合は8月4日にあたります。他、デネブと同じはくちょう座のアルビレオ(はくちょう座β星)や、さそり座の赤い星「アンタレス」も、先月に引き続きご覧いただけます。8月の半ばごろからは、だんだんと惑星も観望を迎え始めます。時間帯や条件が整えば、環が特徴的な土星の観測いただけるようになります。夏の夜の思い出に、普段遠くで光る天体の姿を、望遠鏡でつぶさに観察してみてはいかがでしょうか?
8月のトピックス
天の川銀河はいつ生まれた?
夜空に浮かぶ天の川の光は、私達の暮らす太陽系が属す天の川銀河を内側から眺めた姿です。この天の川銀河がいつから形成され始めたかについて、2020年12月に公開された欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「Gaia(ガイア)」のデータに基づき、Maosheng Xiang氏とHans-Walter Rix氏が研究結果を発表しています。この研究によると、天の川銀河は宇宙形成の約8億年後にあたる約130億年前に形成を始めたと言われています。天の川銀河は中央部のバルジ、それを取り囲む円盤、さらにそのバルジと円盤を囲むハローでできています。円盤部分は、厚い円盤部分とその内部の薄い円盤部分で構成されており、まず厚い円盤部分が約130億年前に形成されました。20億年後には、別の銀河「ガイア・ソーセージ・エンケラドス」との合体が起こり、星形成がなされましたが、それが終息すると外部から流入したガスによりまた新しい星形成活動が始まることで、薄い円盤が生まれています。太陽が属するのはこの薄い円盤の部分です。日本(北半球)が夏になる時は、太陽系から中央部のバルジがある方を眺めるようになるため星が多く、天の川の観測に適した季節と言われています。ぼんやりと夜空に輝く星の光に悠久の時を感じられそうです。
参考:sorae 「天の川銀河の形成が始まったのは約130億年前だった可能性」
8月の星空情報
今月観測予定の天体
- ベガ
- アンタレス
- アルビレオ
- 夏の大三角形
- 土星・・・8月中旬から少しずつ観望を迎え始めます。
星空トピックス
8/4:伝統的七夕(旧七夕)
8/5:上弦
8/7:立秋
8/12:満月(スタージョンムーン)
8/19:下弦
8/27:新月
長門の日の入り時刻は18:42~19:16頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。