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【2月の天体ドーム】オリオン座のベテルギウスなど冬の大三角や星団が誘う冬の空を望遠鏡で眺めてみませんか?

ベテルギウス、シリウス、プロキオンと冬を代表する大三角や、美しい星団が観望を迎えています。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2023年2月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

冬の夜空に輝く星々の中でも目をひく1等星。全天に21個しかないと言われている内の7つが冬の星座に属しています。冬の大三角は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで構成され、それぞれの星を正三角形につなぎます。シリウスとプロキオンは先月ご紹介した冬のダイヤモンドでもあり、ベテルギウスはその中央に位置します。青白い星が多いオリオン座の中でよく目立つ赤い星こそがこのベテルギウスで、恒星の最終段階にあるために表面温度が低くなっています。2019年から2020年にかけては減光が見られ、いよいよ大爆発が起こるのではないかと注目を集めました。(天体雑誌アストロアーツ出版『星ナビ』2023年3月号では、丁度「ベテルギウス大滅光の謎」が特集に組まれています。ご興味のある方は手にとってみてくださいませ。)肉眼では遠く離れて見える姿も、望遠鏡ではしっかりとその輝きを感じることができます。その他、すばるで知られるプレアデス星団、かに座の中でぼんやりとした雲のように見えるM44プレセペ星団も今月は観測予定です。また、「宵の明星」としてひときわ輝く金星も見頃です。宵の明星は、夕方から宵のころに西の空で明るく輝いている金星のことを指します。今月下旬には、細い月や木星との接近があり、共演が見ものです。金星は水星と同じ内惑星のため、朝方または夕方だけ姿を現すことから、望遠鏡での観測はできませんが、ぜひ肉眼で探してみてくださいませ。

2月の天体にまつわる話

今年の干支うさぎ座も見頃

2023年の干支である「うさぎ」の星座がこの時期見頃を迎えています。黄道12星座でもなく見慣れない星座のようですが、実はオリオン座の足元で輝いています。最輝星で3等級とやや暗めの星々が四辺形のように並び、うさぎの耳も象られています。ギリシア神話では、狩りをするオリオンに踏み潰された「うさぎ」との説もあり、ストーリーと合わせて覚えやすい星座です。

月がいつもより大きく見える時

今月6日は、地球と月との距離が最遠となり、今年最小の満月でしたが、ご覧になった方の中にはいつもより大きく見えたという方がいらっしゃるのではないでしょうか?これは目の錯覚によるものと言われており、地平線近くに月があるときに起こることが多いです。実際は天頂近くにある時と地平線にある時では大きさはほぼ変わらないのですが、周囲にある建物や山などの景色と比較して見え方が変わって感じられるとの説があります。今月、月が最遠となった2月4日~6日までの月の出時刻は、山口県で16:15~18:12でしたので、夕方のまだ明るい時間帯、比較的低い位置に月が見えておりました。最小ながらも印象に残る月、細くても美しい月、と見上げる度に違った魅力を感じさせてくれるところが、古くから愛されてきた理由なのかもしれません。

2月の星空情報

星空観測予定

2月1日(水)~2月7日(火)・・・月、火星、プレアデス星団(すばる)、かに座 M44プレセペ星団、冬の大三角
2月8日(水)~2月24日(金)・・・火星、プレアデス星団(すばる)、かに座 M44プレセペ星団、M42オリオン大星雲
2月25日(土)~2月28日(火)・・・月、火星、プレアデス星団(すばる)、かに座 M44プレセペ星団、冬の大三角

星空トピックス

2月4日(土)・・・立春/月が最遠
2月6日(月)・・・最小の満月(スノームーン/ミニマムムーン)
2月14日(火)・・・下弦
2月19日(日)・・・雨水
2月20日(月)・・・新月
2月26日(日)・・・月とプレアデス星団が接近
2月27日(月)・・・上弦
2月28日(火)・・・月と火星が接近

長門の日の入り時刻は17:45~18:11でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

–天体ドームからのお願い–

日中は10℃を超える日が出てきたものの、夜はまだ厳しい寒さを感じます。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり大変寒いです。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。またドリンク等のドーム内への持ち込みはご遠慮くださいますようお願いします。

2月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。