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【7月の天体ドーム】夏の大三角形は七夕の主役。天の川に現れる一等星を、望遠鏡からご覧くださいませ。

織姫のベガ、彦星のアルタイル、二人をつなぐデネブを観測します。

こんばんは。大谷山荘・天体ドームです。2021年7月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

今月も夏の大三角形に、はくちょう座のアルビレオ、さそり座のアンタレスが観望を迎えます。夜空の大三角形は、春・夏・冬とありますが、七夕伝説も相まって夏の大三角形は特にご存知である方が多いと思います。どれも強く輝く1等星であるため、まちなかでも比較的見つけやすい星々です。まず、織姫星のこと座のベガは3つの中で最も大きく輝く星で、そのそばには4つの星が平行四辺形に並び、琴の形を作っています。実視等級は0.03等と0に近い為、ベガを標準星としたベガ等級という定義もございます。その場合ベガを0等とすると100分の1の明るさの天体が5等星となります。天の川に十字を切るようにならぶはくちょう座には、先月ご紹介したアルビレオ、尾の部分にはデネブがあります。デネブは地球から1400光年離れている為、見かけの上では1.3等と暗くみえますが、実際にはベガよりはるかに大きく、太陽の200倍の大きさがあります。そして彦星と呼ばれる、わし座のアルタイルは0.76等級の星で、天の川を挟んでベガの向かい、21時頃の夜空だと夏の大三角形の右下に位置します。七夕伝説では1年に1度、7月7日に出会えることになっていますが、実際のベガとアルタイルの距離は15光年と、地球と比べれば近いものの光の速さで15年かかってしまいます。夏を代表する星々、普段は遠く離れてみる姿を、望遠鏡から覗いてすぐ近くに感じてみてくださいませ。

7月の星にまつわる話

七夕と願い事の関係とは?

毎年当館でも、七夕の日が近づくとロビーラウンジに笹の葉を飾り、短冊へ自由に願い事を書いて頂けるようご準備しております。七夕伝説の中では出てこないこの風習は、中国の宮中行事である「乞巧奠(きこうでん)」が元になったと言われています。七夕に出てくる織姫星は、はた織仕事の星であり、裁縫の上達を願う儀式が行われていました。そこでは願いを込めた装飾を、魔除けになると言われた笹に吊るしたようです。今ではそれぞれ思いおもいの願い事を書かれていると思います。こと座のベガに誓いをたてる気持ちで短冊を吊るしてみてはいかがでしょうか。

天の川が夏によく見えるのはなぜ?

天の川は一年中夜空に見えていますが、夏はほかの季節よりもはっきり見えると言われるのはなぜでしょうか?天の川の正体は、私達のいる太陽系が属する銀河系を横から見た姿です。銀河は円盤型になっており、中心部に星が密集して分厚く膨らみ、その外側には星が薄く広がっています。夏は、夜空が銀河の中心を向くように広がるため、見える星の数が多いですが、冬は、銀河の中心と反対側を向く為、銀河の端の部分しか見えず天の川が薄く見えてしまうのです。銀河の中心は、さそり座の隣にある「いて座」の方角にあり、天の川が最も明るく見える場所になっています。月明かりの少ない新月の頃を狙って見てみましょう。

7月の星空情報

7月 1日(木)~7月12日(月)・・・・夏の大三角、アルビレオ、アンタレス
7月13日(火)~7月24日(土)・・・・月、夏の大三角、アルビレオ、アンタレス
7月25日(日)~7月31日(土)・・・・夏の大三角、アルビレオ、アンタレス、土星

7月の星空トピックス

7月 2日(金)・・・下弦
7月 7日(水)・・・小暑、七夕
7月10日(土)・・・新月
7月17日(土)・・・上弦
7月22日(木)・・・大暑、海の日
7月24日(土)・・・満月(バックムーン)
7月31日(土)・・・下弦

長門の日の入り時刻は19:30頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)

梅雨がなかなか明けず、少しの晴れ間も嬉しくなるほどでございます。雲に隠れて直接の観測ができない日も、過去の映像を活用して解説を行っておりますので、ぜひ天体ドームまでお越しくださいませ。

7月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。