シリウス、プロキオン、ベテルギウス。3つの1等星がつくる冬の大三角形
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2020年1月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。(画像:大谷山荘・天体ドームの望遠鏡より撮影したオリオン大星雲)
まずはオリオン座のベテルギウスを見つけよう
「冬の大三角形」とは、南東の空、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスをつないでできる正三角形。3つの星は全て一等星で非常に明るく、地球からみた恒星の中でも明るい恒星のベスト10に入っております。特に見つけやすいのは、オリオン座のベテルギウスで、南東の空に赤く輝いているので、ひとめで見つけることができます。次に、ベテルギウスから東の方向に目線を移すと、周囲の星よりひときわ白く輝いて見える星がございます。これが、おおいぬ座のシリウスです。最後に、ベテルギウスとシリウスの中間地点の対局に、少し控えめに輝いている星が、こいぬ座のプロキオンです。以上の3つの星が冬の大三角形を形どる星たちです。さらに、冬の三角形を囲む位置に「冬のダイヤモンド」を見つけることができます。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンに加え、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルを直線でむすぶ大きな六角形です。一年の中でも寒い季節ではございますが、凛とした夜空に明るく輝く星たちを観測いただける季節でございます。ご帰宅の際、たまには寒さでうつむきがちな目線を少しだけあげて、ぜひ夜空をご覧になってくださいませ。
ベテルギウスについて
ベテルギウスは、赤色超巨星で肉眼で観測できる数少ない変光星です。変更星とは、星の明るさにゆらぎがある星で、ベテルギウスの場合は、0等~1.3等のゆらぎがあると言われております。また、ベテルギウスは非常に大きな質量を持つ星で、太陽の約20倍です。赤色超巨星とは、表面温度が低く明るく見える恒星。または赤色巨星の名化で半径が太陽の数百倍、高度は太陽の数万倍以上の星。不安定な状態で進化の最終段階にあり、超新星爆発を起こすと考えられております。
2020年に注目したい天体情報
2020年にぜひ注目いただきたい天体情報をご案内いたします。ぜひ、天体情報をカレンダーに予定を登録して、ご家族や友人を誘って夜空を眺めてみてはいかがでしょうか?
- 6月21日…全国で部分日食がみられます
- 10月6日…火星が約2年2ヶ月ぶりに地球に接近。赤く輝く火星を見られます
- 8月…ペルセウス座流星群
- 12月…ふたご座流星群
天体に関するよくある質問~お客様の素朴な疑問にお答えします
初日の出が日本でいちばん早い場所はどこ?
いちばん早く見られる初日の出は、様々な条件によって異なります。例えば、日本の国土全体で考えると一番早い場所は「南鳥島」(5:27)です。人が住んでいる国土で考えると「小笠原諸島の母島」(6:20)です。また、島を除く国土で考えると(北海道、本州、四国、九州)富士山山頂(6:42)です。これは、高い場所よりも日の出を早くみられるからです。それでは、山を除く平地で考えると、千葉県の犬吠岬(6:46)です。基本的には、南東の方向が日の出は早くなりますが、夏至の前後は北東の方向にゆくほど早くなり、春分・秋分の頃は、東の方向に向かうほど早くなります。ただし、日の出の時間はその年による違いはございませんので、表記時刻あが目安となります。国立天文台の公式サイトでは、図を用いての説明がございますので、ご参照くださいませ。
参照:国立天文台公式サイト「よくある質問」ページ:星までの距離測定について
月は昼間も見えているの?
青空に白い月をみた経験はございませんか?月は地球の衛生として自転しながら、地球のまわりを公転しております。さらに地球は、太陽の惑星として太陽の周りを自転しながら公転しております。月はもともと大変明るい衛星で、地球からの距離が非常に近く、反射光が強い為に日中でも見える日があります。しかし月齢によって簡単に見ることができたり、全く見えない場合もあります。また、夜の月は黄色なのに、昼の月は白く見えるのは、なぜでしょうか?これは、昼間は太陽光が地球大気により散乱することによって減少した青や緑の光線が、青空により補われるため白く見え、逆に夜は、太陽の光がなく補色されたいため黄色く見えるのです。
参照:国立天文台の公式サイト「よくある質問」ページ:宇宙の果てとは?
1月の星空情報
星空観測スケジュール(予定)
- 1月1日(水)~12日(日)
月、プレアデス星団(すばる)、オリオン大星雲
- 1月13日(月)~28日(火)
プレアデス星団(すばる)、オリオン大星雲、シリウス
- 1月29日(水)~31日(金)
月、オリオン大星雲、シリウス
1月の星空トピック
- 1月03日(金)…上弦の月
- 1月6日(月)…小寒
- 1月11日(土)…満月
- 1月11日(土)…半影月食
- 1月17日(金)…下弦の月
- 1月20日(月)…大寒
- 1月25日(土)…新月
長門の日の入り時刻は17:43頃でございます。夜は気温が5℃前後と例年より比較的おだやかな冬でございます。当日は、厚手の上着をお召になり、凛とした夜空に広がる星たちの煌きをご体感くださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)
天体ドームご予約方法
詳細情報
- 開館時間…19:30~22:10
- 休館日…毎週火曜日
- 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
- 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
- ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)
観測スケジュール
- 19:30、19:50
- 20:10、20:30、20:50
- 21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
天体ドームからの情報一覧へ
■よくある質問
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」
「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。