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- 2026/06/05
【開催報告】大谷山荘でつながれた、学びの知 — 「第1回 文化資本会議」を終えて(山本哲士氏 寄稿)
大谷山荘にて「長門湯本温泉の文化資本経営」をテーマにした文化会議を開催いたしました。
2026年5月、新緑が美しい長門湯本温泉・大谷山荘にて、1泊2日の「文化資本会議」が開催されました。当日は、山形県、石川県から佐賀県まで全国からお集まりいただき、講義、フィールドワーク、ワークショップはもちろん、長門湯本の情緒に触れるひとときや、夜更けまで続いた和気藹々とした懇親会など、非常に充実した時となりました。この度、哲学者である山本哲士先生より、会議を終えての成果と感想をいただきました。参加された皆様の気持ちが、ここ長門湯本の「場所」とどのように響き合い、解き放たれたのか。山本先生のお言葉をお届けいたします。
山本哲士先生からの寄稿文
思考が解き放たれる「場所」
文化資本会議が大谷山荘で1泊2日で開催されました。38名の方たちが参加、講義報告の知的体験だけでなく、長門湯本の場所の情緒的体験、そしていつ果てるともない和気藹々とした懇親会でのコンビビアルな相互対話、みなさん充実した時間を過ごされました。私は、物事をやさしく語るという誤魔化しはできないゆえ、実際現実を考察・解析して組み立てた理論概念世界をそのまま語り論じたのですが、解る/解らないという答えに行きつく認識思考次元ではなく、実際現実それ自体を統合的に見れる言説の場所を配備させたのです。その諸概念のシャワーによって、思考は迷路に引き込まれるも、そのラビリンスは、自分の自分への自分技術と対象界との「作用の作用」の活発なアクティビティへと解き放たれていく知覚です。社会の規制の中で話す存在は、社会エージェントとして形式的な話し言葉と虚しい書き言葉に覆われているのですが、それがこの文化資本会議の「場所」で充実した話し言葉へと転じられ解き放たれました。
近代概念世界の原理(X界)から、日本文化資本の原理(Y界)へ
文化資本会議の参加者の方々の多くは、すでに文化資本経営を実行されており、また社会商品経済の雰囲気に取り囲まれて疑問を感じておられる方々がおられ、新たな文化資本Y界の概念を知ることで、自らのイマジネーションを感覚と理性の間で、新たな統合として感知・知覚できたと思います。主客分離/主語制(客観性)/社会/自我自己の近代概念世界(X界)に知的資本が閉じられ束縛されていた「形式的話し言葉」の虚しさから解き放たれて、非分離/述語制/場所/非自己の日本文化資本の原理(Y界)に立つ「充実した話し言葉」の話存在が出現し、物事/出来事の繋がり世界が配置換えされ、自分自身がなしていたこと、あるいは周囲への違和感の根拠がはっきりと見えたからです。社会の実定化へと向けられた経済イメージの半知覚/半現前の想像関係作用に対して、場所の実定化へと向かうイマジネーションの想像資本作用が、新たな知=言説から対象を受け取り、同時に概念的な新たな統一を、概念と直観、感覚と知性、直観と知性の間で同質の能力として受け止め、経験の可能性への条件を開かれたと感じとられたのです。商品経済の欲望快楽の感情は社会規則へ固着されて誤魔化されていきますが、自己自身によって自己自身を触発する純粋な「異他情動hetero-affection」が、まったく他なるものが既存の概念と享受を<私>から取り去って、享楽joyfulnessが現存在した文化資本の場所になったのです。
新たな資本経済の動きと、第2回文化資本会議に向けて
イメージを意味されたものへ固定させてしまう再生産想像作用(X界)に対して、生産的イマジネーションを想像資本作用させて場所を活性化させる資本経済の動き(Y界)です。これは、利益=剰余資本の出し方の作用が異なります。今後の「資本の資本への剰余ワーク」として諸利益を生み出していくべく、実際の場所で探究され、実現されていくと思いますが、まだ語られえていない、資本間の剰余ワークの構成が多々あります。それを、参画された皆様のアクティビティの場所での文化資本セミナーとしていくつか遂行しながら、来年の第2回文化資本会議にて高めて共有し、そして、日本の文化資本原理は、近代西欧の文化原理の普遍性に代わりうる普遍性を有していますので、その世界への発信の拠点に文化資本会議が開かれていければと思います。知的資本と情緒資本が転換的に作用する場所の文化資本会議の深みと高まりが、ここ長門湯本の場所=大谷山荘のホスピタリティ技術によって、日本・世界へと発信されていきます。個室のゆったりした露天風呂や恩湯のほの温かい湯浴みに浸りながら、メビウスの帯をぐるりと回って思考概念世界が配置換えされた、心地よさの享楽の現実存在に、みなさんの顔は、場所で楽しむ自分を楽しむ充実感の笑顔の快に溢れておられました。
結び
山本先生、深い示唆に富んだ総括をありがとうございました。参加された皆様の思考を深める一助となったのであれば、これ以上の喜びはありません。
来年開催される「第2回 文化資本会議」、そして今後展開されるセミナーに向け、皆様のまたのお帰りをお待ち申し上げております。