- 天体ドーム
- 2024/11/05
【11月の天体ドーム】数百の星が密集するペルセウス座二重星団や土星の姿を望遠鏡から観測します。
ペルセウス座二重星団の輝き、月と接近する土星を探してみませんか?
秋のペルセウス座二重星団、冬のプレアデス星団。移り変わる季節の中で美しい光を放つ星団に注目です。
こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年11月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
秋晴れの心地よさを感じつつも、暦の上では早くも冬を迎えようとし、夜空も秋から冬にかけての装いへと変わっていきます。秋の星座ペルセウス座からはペルセウス座二重星団。地球から約7300光年離れたところにある二つの散開星団が寄り添うように輝きます。それぞれ約300個ほどの星がぼんやりと密集しており、非常に美しい姿を見せています。紀元前から観測の記録が残り、星団であることが分かったのはガリレオ・ガリレイによる観測からだとされています。冬の星座おうし座からはプレアデス星団。日本では「すばる」の名で親しまれています。6~7個の青白い光は肉眼でも見えますが、望遠鏡からはさらに多くの光を目にすることができます。 また、惑星で観測好機を迎えるのは輪が非常に細くなった土星。11日には月と土星の接近があり、より見つけやすくなります。今月は金星や火星とも近くなる機会がある月ですが、土星との接近は夕方から深夜にかけてで観測しやすい時間帯に起こります。 夜空が澄み渡り星が煌めくこれからの季節は、より天体観測が楽しくなります。ぜひ肉眼だけではなく天体望遠鏡からも星の姿をご覧くださいませ。
11月の天体にまつわる話
ペルセウス座とアンドロメダ座は夫婦の星座
ペルセウス座は、怪物メデューサの首を持つ英雄ペルセウスの姿が元になっており、向かいには秋の四辺形の一つアルフェラッツを含むアンドロメダ座が輝いています。神話では英雄ペルセウスが、生贄になり化けくじらに襲われそうになるアンドロメダ姫を救い、後に夫婦になりました。ちなみにアンドロメダ姫の両親はケフェウス座とカシオペア座の元になった国王と王妃で、ギリシャ神話のなかで夫婦になった星座はこの二組のみとなっています。
土星の衛星
地球の衛星は月ただ一つしかありませんが、木星や土星には数多くの衛星があります。2023年の報告では土星に新たな衛星が63個発見されたことで、総数が146個となり、太陽系の惑星で最多になりました※。新衛星は5~8個の親衛星が元となり、他の天体と衝突した際に生じたものと考えられています。土星最大の衛星タイタンは、窒素を主成分とする厚い大気を持つ天体です。表面に液体が存在し、大気組成が原始の地球に似ているため原子的な生物の存在も期待されています。特徴的な輪が見えにくい今月、土星の周りにある衛星に思いをはせてみてはいかがでしょうか?
※参考:AstroArts
11月の星空情報
星空観測予定
11月上旬・・・・土星、ペルセウス座二重星団、プレアデス星団(すばる)
11月中旬・・・・月、土星、ペルセウス座二重星団、プレアデス星団(すばる)
11月下旬・・・・土星、ペルセウス座二重星団、プレアデス星団(すばる)
星空トピックス
11月1日(金)新月
11月7日(木)立冬
11月9日(土)上弦
11月11日(月)月と土星が接近 夕方~深夜
11月16日(土)満月(ビーバームーン)、水星が東方最大離角
11月17日(日)しし座流星群が極大
11月22日(金)小雪
11月23日(土)下弦
長門の日の入り時刻は17:05~17:20でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)
1か月の間にすっかりと気温が変化し、特に朝夕は冷える日が増えて参りました。天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなり寒くなります。ドームにお越しの際は各自で防寒対策をされますようお願いいたします。特に温泉に入られてからのご来場は湯冷めの元となりますのでお気をつけ下さいませ。
天体ドームご予約方法
詳細情報
開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日(他、臨時メンテナンスも設けております。)
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。
観測スケジュール
19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50
ご予約方法
上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。
■よくある質問 「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」 「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する 当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。 実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、 全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに 感動したことが始まりでございます。 のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。
星空についての豆知識
光の速度
- 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
- 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
- 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
- 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
- 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
- 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
- 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
- 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
- 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
- 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。