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【8月の天体ドーム】夏の夜、ひときわ輝く木星と土星の姿を望遠鏡で観測しませんか?

木星と土星が衝を迎える8月、表面の模様までしっかりとご覧くださいませ。

こんばんは。大谷山荘・天体ドームです。2021年8月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。

夏まっただ中、夜空を見上げると数多の星が広がり、夏の大三角形や、はくちょう座のアルビレオなどが輝いています。今月は、さらに惑星が見頃を迎えます。8月2日には土星が、8月20日には木星が「衝」を迎える予定です。「衝」は、太陽と地球と惑星が一直線に並ぶ位置関係のことをいい、地球と距離が最も近くなる分大きく見えるため、観測条件が良くなります。
土星は、約0等級で南の空でクリーム色に明るく輝いており、比較的簡単に見つけられます。やぎ座の方角にあり、夏の大三角形のベガからアルタイルの方向に向かって目線を動かすとわかりやすいです。環を含まない、赤道部分の直径は地球の約9倍あり、太陽系で2番目に大きい巨大ガス惑星です。ガスの雲が表面の縞模様を作り出しており、北極域には六角形の不思議な模様が観察されています。特徴的な環の部分は、土星の公転により傾きが変わって見えるため、2025年にかけてだんだんと見えにくくなります。観測できる今の内によく様子を確認しておきましょう。

木星は、赤道部分の直径が地球の約11倍、質量が地球の約320倍あります。主成分は水素やヘリウムといった気体で、太陽と成分が似ています。土星と同じくガスの雲に覆われており、約10時間という高速な自転運動や大気中の流れが関係して模様ができていると考えられています。縞模様の中でも特徴的な大赤斑は木星の嵐です。木星は土星よりもさらに明るいマイナス2.9等となるため、街明かりの中でも見つけられます。みずがめ座にあり、土星とならぶように輝いています。
表面の様子をつぶさに観測できるのは、惑星ならではのお楽しみ。天体ドームまでぜひご覧にお越しくださいませ。

8月の星にまつわる話

宵の明星、夜半の明星、明けの明星とは?

太陽に対して地球の内側を公転する水星や金星を内惑星といいます。夜は太陽と反対側を眺めるようになるため、この内惑星は夜中にみることが難しく、昼と夜の境目に低空で見られるのみです。この季節に観察できる金星は、夕方から宵にかけて姿を現し、沈みゆく太陽を偲ぶように西の空で輝きます。これが「宵の明星」です。12月を過ぎ2022年1月上旬になると、太陽と同じ方向に位置するようになるため一旦観測できなくなりますが、1月の下旬には夜明けの時間帯に東の空で再び姿を現し「明けの明星」となります。一方で、地球の外側を公転する木星は、夜の間にひときわ輝いて見えるため、「夜半(よわ)の明星」と呼ばれます。

8月の星空情報

星空観測予定

8月 1日(日)~8月13日(金)・・・・土星、夏の大三角、アルビレオ(はくちょう座の二重星)
8月14日(土)~8月23日(月)・・・・月、土星、アルビレオ
8月24日(火)~8月31日(火)・・・・土星、木星、アルビレオ

星空トピック

8月 2日(月)・・・土星がやぎ座で衝(太陽‐地球‐土星がまっすぐに並ぶ位置関係)となる。
8月 7日(土)・・・立秋
8月 8日(日)・・・新月
8月13日(金)・・・ペルセウス座流星群が極大
8月14日(土)・・・伝統的七夕(旧七夕)
8月16日(月)・・・上弦
8月20日(金)・・・木星がやぎ座で衝(太陽‐地球‐木星がまっすぐに並ぶ位置関係)となる。
8月22日(日)・・・満月(スタージョンムーン)
8月23日(月)・・・処暑
8月30日(月)・・・下弦
8月31日(火)・・・二百十日

長門の日の入り時刻は19:10頃でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ)

今年は8月14日が「伝統的七夕(旧七夕)」と呼ばれる旧暦の7月7日となります。ベガやアルタイルなど、七夕にちなんだ星々とともに、強く輝く惑星もご覧いただける今月。夜空の旅をお楽しみくださいませ。天体ドームよりお待ちいたしております。

8月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。