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【3月の天体ドーム】太陽系で最も近い惑星の「水星」と約70年ぶりに帰還する「ポン・ブルックス彗星」。ふたつの「すいせい」に注目です。

地球型惑星の「水星」に、70年に1度太陽へ接近する「ポン・ブルックス彗星」。貴重な「すいせい」を観測しませんか?

水星が観測好機に。太陽系惑星の中で最も小さな惑星をご覧くださいませ。

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2024年3月にご覧いただける、長門湯本温泉の星空情報をご案内いたします。
春の陽気が漂い、夜がふける時間がだんだんと遅くなってまいりました。少しずつ暖かくなってきており、天体観測をするには体に嬉しい季節ですが、星が見え始める時間が待ち遠しくなるころでございます。今月は、西の空に輝く水星が観測の好機を迎えます。水星は、惑星の中で一番小さな惑星で、地球の18分の1、月の3分の1ほどの大きさです。水星は、地球型惑星と呼ばれており、成分は主に鉄、ニッケル、ケイ酸塩岩で構成されています。太陽系惑星の中で比べると、表面の温度が最も変化する惑星で、夜間の温度は-173度、日中は427度と、変動が大きいことが特徴です。また、水星は太陽に最も近い惑星である為に、観測する機会が少ないですが、2024年3月25日には水星が太陽から最も離れて東方最大離角となり、日没の45分後の高度は9度でかなり低い位置ですが、水星としては好条件でご観測いただけます。3月25日前後は水星の明るさが肉眼でもご覧いただける-0.4~-0.5等級となり、明るく輝きます。日没後すぐに西の空を見上げて、一番小さな太陽系惑星「水星」を見つけてみてはいかがでしょうか?

3月の天体にまつわる話

70年ぶりのポン・ブルックス彗星はいつ見られる?

3月下旬から4月にかけて観察好機を迎える「ポン・ブルックス彗星」は、公転周期約70年でハレ―型彗星に分類されています。1812年にフランスの天文学者ポン(ポンス)によって発見され、また約70年後の1883年にブルックスによって再発見されたことから、「ポン・ブルックス彗星」と名付けられました。前回観測されたのは1954年で、今年の3月下旬から4月にかけて70年ぶりに太陽へ近づきます。3月はアンドロメダ座からうお座、おひつじ座へと移動していきます。3月中の明るさは5~6等級と予想されており、肉眼でご覧いただくことは難しい場合がある為、双眼鏡でのご観測がおすすめです。4月はおひつじ座を東進していき、4月中旬ごろには明るさが4等級半ばまで明るくなる為、肉眼でもご覧いただけると予想されております。4月10日頃までが観測の好機と言われておりますが、太陽に最も接近するのは4月21日で、この日の前後にバーストを起こすと、さらに明るくなる可能性もある為、好機の時期以外も見逃せません。アンドロメダ座からおひつじ座へ、おひつじ座から東へと移動する、70年ぶりに帰ってきた箒星の行く先を辿ってみませんか?

3月の星空情報

星空トピックス

3月4日(月)下弦
3月10日(日)新月
3月17日(日)上弦
3月22日(金)金星と土星が大接近
3月25日(月)水星が東方最大離角
3月25日(月)満月(ワームムーン)

長門の日の入り時刻は18:10~18:34でございます。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。
(参照:国立天文台の公式サイトへ

>天体ドーム内は屋根が開いているため室温が外気温と同じとなりますので、天体ドームへお越しの際は、上着の着用や靴でお越し頂くなど、各自で防寒対策をしていただきますようお願いいたします。特に温泉に入られてからの来場は湯冷めをしやすくなります為お気をつけ下さいませ。
また、飲食物などのドーム内への持ち込みはご遠慮くださいますようお願いいたします。

3月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。