1. TOP
  2. 大谷山荘だより
  3. 【5月の天体ドーム】新しいスタートは「月」の満ちる姿と「春のダイヤモンド」を象る星を観測しませんか?

【5月の天体ドーム】新しいスタートは「月」の満ちる姿と「春のダイヤモンド」を象る星を観測しませんか?

5月は、パワーを感じる「月」の満ちる姿と、春の星たちアルクトゥールス、スピカ、デネボラ、コル・カロリが象る「春のダイヤモンド」をご案内

moon-Otanisanso-observatory

5月は、新たなスタートにふさわしい「新月」「上弦の月」「満月」を観測

こんにちは。大谷山荘・天体ドームです。2019年5月にご覧いただける長門の星空情報をご案内いたします。 5月は、天体ドームの営業時間内で月が満ちる、美しい姿をご覧いただけます。具体的には、5月8日(水)~19日(日)の期間、新月から上弦の月(月の右側が見える状態)、満月となります。太陰暦がこよみとなっていた古来日本では、月の周期が生活サイクルとなっておりました。新月はスタートで満月は完成した姿。満月をひとつの節目とし、物事の成熟を意味しておりました。「新月に願いごとをすると叶う」という言葉のように、月が満ちる輝きは、他の星をも凌ぐ美しさを放ちます。私たちの地球にとって唯一の衛生「月」は、地球環境とも密接な関係がございます。この機会にぜひ「月」の魅力に触れてくださいませ。(画像:大谷山荘の天体ドームで撮影。地球から見える「月の表面」)

4月に続き、春の大曲線や春のダイヤモンドをご覧いただけます

まずは、ミザール(北斗七星)から春の大曲線を探してみよう

もちろん、4月に続き春の夜空には「春の大三角形」「春の大曲線」「春のダイヤモンド」をご覧いただけます。まずは、北の空高くに輝く「北斗七星」を見つけます。北斗七星のひしゃくの柄のカーブにそって、南の空へと線をたどると、オレンジ色の一等星アルクトゥールス(しかい座)が現れます。さらに、カーブを延長させると、白く輝く一等星・スピカ(おとめ座)があらわれます。その、スピカの先に台形状にある4つの星「からす座」まで描いた大きなカーブが「春の大曲線」とよばれています。

次は、春の大三角形と春のダイヤモンドを見つけてみよう

ミザールからアルクトゥールス、スピカを見つけたら、しし座のデネボラをみつけましょう。ちょうどアルクトゥールスと相対した距離にあります。アルクトゥールスとスピカ、デネボラを直線でつなげると「春の大三角形」のできあがりです。さらに、スピカと相対した位置、おおぐま座のしっぽのあたりに位置するりょうけん座のコル・カロリとデネボラを結ぶと、「春のダイヤモンド」ができあがります。また、天体ドームでは、大きな望遠鏡でアルクトゥールス、ミザール、コル・カロリを観測いただきます。ミザールの近くにあるアルコル、コル・カロリの白と紫の二重星など、肉眼では難しい星の詳細をご覧いただけるかもしれません。

4月の天体ドーム情報を振り返る

5月の星にまつわるギリシア神話~からす座

春の南天に輝く星「からす座」

「からす座」は春の南天に見える星座で、春の大曲線の最終地点。日本で観測いただける時期は3~7月の5ヵ月間で、中でも見頃は5月下旬です。4つの三等星が台形の形をしており、比較的みつけやすい星座と言われております(日本ではその形状から「帆かけ星」とも呼ばれております)。見つけ方のポイントは、からす座の上部にある2つの星。その延長上にスピカがございます。

「カラス」はなぜ黒なの?(ギリシア神話より)

「カラス」は実は白い鳥だったという話を耳にしたことはございますか?その昔、「カラス」は太陽の神アポロンの使い鳥で、白い美しい羽を持ち、人の言葉を話す鳥でした。しかしある時、アポロンに水くみを頼まれたカラスは泉に行きました。水くみの途中でカラスはイチジクを見つけましたが、まだ熟しておりませんでした。カラスは、そのイチジクが熟するまで待って食べたため、水くみからの戻りが大変遅くなってしまいました。その言い訳として、カラスは泉にいたヘビを持ち帰り「へびが水くみの邪魔をしたので遅くなった」とアポロンに伝えました。アポロンに嘘をついたカラスは、罰として美しい白い羽を黒に変えられ、人の言葉も奪われたと言われております。

 5月の星空観測予定

  • 5月1日(水)~7日(火) アルクトゥールス、ミザール、コル・カロリ
  • 5月8日(水)~19日(日) 月、ミザール、コル・カロリ ※新月(5月5日)、上弦の月(5月12日)、満月(5月19日)
  • 5月20日(月)~31日(金) アルクトゥールス、ミザール、コル・カロリ
だいぶ日が長くなってまいりました。くっきりと輝く星をご覧いただきたい場合は、星の観測は20:10以降の回がおすすめでございます。星空を眺めて山間の静かな夜をお愉しみくださいませ。お待ちいたしております。
山口県の日の入り時刻は、国立天文台の公式サイトでご確認いただけます。(参照:国立天文台の公式サイトへ)。
 

天体ドームご予約方法

 詳細情報

  • 開館時間…19:30~22:10
  • 休館日…毎週火曜日
  • 場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
  • 料金…ご宿泊のお客様無料(先着予約制)
  • ご利用方法…先着予約制(1回につき12席)

 観測スケジュール

  • 19:30、19:50
  • 20:10、20:30、20:50
  • 21:10、21:30、21:50

 ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。 ※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。 ※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

天体ドームからの情報一覧へ

■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館会長の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

 星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」  のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。