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【11月の天体ドーム】ペルセウス座二重星団にアルデバラン、東の空に輝きを放つ星々が現れます。

空が澄み始める季節だから観測できる星団を、望遠鏡で観察してみませんか?

あたりの山木が紅に染まり、次々と冬支度を始める頃、夜空には煌めきが増して、それまで見えていなかった冬の星座が現れるようになります。11月は、無数の輝きを放つ散開星団や1等星など、肉眼で見ても引き寄せてみても、美しい天体がたくさんございます。
望遠鏡や双眼鏡で見るとよく観察できる天体に、ペルセルス座二重星団がございます。ペルセルス座二重星団は、天体愛好家の間ではh-x(エイチカイ)と呼び親しまれ、2つの散開星団が接近している非常に美しい星団です。カシオペア座の近くにあり、ほぼ1年を通して夜空にございますが、条件が揃わなければ観測が難しく、空気が澄み始める秋~冬の季節だからこそ観測できる天体となります。
肉眼でも見つけられる1等星のアルデバランは、望遠鏡で引き寄せてみるとその赤い輝きをしっかりと観測できます。アルデバランの名前の由来はアラビア語で「後に続くもの」という意味を持つ言葉から来ており、和名でも「後星」と呼ばれています。これは地平線から登ってくる時に、同じおうし座のプレアデス星団(別名:すばる)の後に続いて出てくるからです。天体観測が楽しくなってくるこの季節を、静かな山間から夜空を覗く長門湯本でお過ごしくださいませ。

11月の天体にまつわる話

「たいへん深い」部分月食のご案内

11月19日の夕方から、全国でたいへん深い部分月食が見られるとされております。月食は今年5月の皆既月食から数えて2度目のチャンス。部分月食とはいえ、月の97.8%が地球の影に隠れることが予想され、たいへん深いとされています。当館のある山口県長門市では、部分月食の始まりにはまだ月が出ていない為、食が始まった状態で東の地平線から出てきます(月出帯食)。食の最大は18:00頃に迎え、19時47分に部分月食が終わります。通常は部分月食の場合、皆既月食のような赤銅色の姿は見ることができませんが、今回は皆既食に近い状態になる為、影の色づきが期待されています。
(参考:国立天文台の公式サイト)

※ぜひ部分月食をご覧いただきたいのですが、高度と方角の関係上、天体ドームからの観測は難しくなることが予想されております。

アルデバランは月に隠れることがある特別な1等星

天体の通り道が重なると起こる「食」は、月と同じように星にも起こり、「星食」や「掩蔽(えんぺい)」と呼ばれます。暗い星であればいくつも観測されていますが、月の通り道に重なる1等星は少なく、さそり座のアンタレス、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、そしておうし座のアルデバランの4つのみとなります。1等星の星食は観測しやすく、日本最古の記録は日本書紀にあり、舒明天皇が640年にアルデバランの星食があったことを記しています。

11月の星空情報

星空観測予定

11月1日(月)~11月12日(金)・・・木星、土星、ペルセルス座二重星団、カペラ、アルデバラン、プレアデス星団(すばる)
11月13日(土)~11月21日(日)・・・月、ペルセルス座二重星団、カペラ、アルデバラン、プレアデス星団(すばる)、リゲル、ぺテルギウス
11月22日(月)~11月29日(月)・・・ペルセルス座二重星団、カペラ、アルデバラン、プレアデス星団(すばる)、リゲル、ぺテルギウス

星空トピック

11月5日(金)・・・新月
11月7日(日)・・・立冬
11月8日(月)・・・金環食(日中)
11月11日(木)・・・上弦
11月12日(金)・・・おうし座流星群が極大
11月18日(木)・・・しし座流星群が極大
11月19日(金)・・・満月(ビーバームーン)が部分月食
11月22日(月)・・・小雪
11月27日(土)・・・下弦

11月12日にはおうし座流星群が極大を迎えます。小規模で数は少ないですが、明かりの強い火球の割合が多いと言われています。また、しし座流星群も18日に極大を迎えますが、月の影響を受ける為観測条件は良くないとされています。ご覧になる時は夜空全体をぼんやりと見渡しながら探してみてくださいませ。

暦の上では早くも冬が訪れています。天体ドームでは例年半纏をご用意してお客様をお迎えしていましたが、本年も新型コロナウイルス感染防止の観点からご用意することができません。湯上がりにお越しの際は羽織ものをご持参いただくことをおすすめいたします。温まりながらゆっくりと、澄み渡る長門の夜空をお楽しみくださいませ。

11月のご宿泊・空室カレンダーはこちら

天体ドームご予約方法

詳細情報

開館時間…19:30~22:10
休館日…毎週火曜日
場所…大谷山荘屋上(8階ギャラリーに併設)
料金…ご宿泊のお客様無料
ご利用方法…事前予約制。ご宿泊日までは予約センター、当日はフロントまでお問い合わせ下さいませ。
※現在人数制限をしてご案内致しております。

観測スケジュール

19:30、19:50
20:10、20:30、20:50
21:10、21:30、21:50

ご予約方法

上記よりご希望の時間をお知らせくださいませ(お電話またはご要望欄に記載くださいませ)。
※満席の場合や天候によりご覧いただけない場合がございます。
※天候により星空が観測いただけない場合は、過去の映像をご覧いただけます。

 

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■よくある質問 
「なぜ、屋上に天体ドームがあるのですか?」

「お客様にも長門の美しい星空を眺めていただきたい」長門/仙崎出身の金子みすゞ氏の詩を愛する
当館相談役の発案で屋上に設置いたしました。
実は、金子みすゞ交流会のご縁で出会った理学博士佐治晴夫先生のお言葉「目に見えるものが、
全てではありません。真昼のお星をご覧いただきましょう」と、玉川大学の天文台で見た真昼の星の美しさに
感動したことが始まりでございます。 
のどかな里山の自然に包まれた長門の夜空の記憶を、旅の思い出にお持ち帰りくださいませ。

星空についての豆知識

光の速度
  • 光は1秒間に約30万Km(地球を7周半)進み、1年では9兆4600億Kmにもなります。
  • 太陽の光は地球に達するまでに8分19秒かかります
  • 月の光は地球に達するまでに1.3秒かかります
宇宙の距離単位
  • 宇宙はとても広大なため、星と星の距離単位として「光年」「天文単位」を用います。
  • 1光年=光が1年間に進む距離(9兆4600億Km)
  • 1天文単位=太陽と地球の距離(約1億5000万Km)
地球の時間
  • 1日は24時間ですが、地球の自転(1回転)の時間は23時間56分と約4分程ずれが生じます。
  • 「うるう年」を設けて調整しているのは、公転周期が365日に少し足りないからです。
  • 地球の自転(23時間56分)=400m/秒
  • 地球の公転(365日)=30km/秒
もっと詳しく星空のことを知りたい時は、 「国立天文台ほしぞら情報」 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧になってくださいませ。